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目指すのはジャンガリアンな生き様

HONDA XR600R 始動性が悪いのは始動の儀式とかセッティングとかそういう事じゃなく6

寒くなると著しく始動性が悪くなる。スパークプラグの火花が弱い様だ。関係する部品を全て交換したが変わらず。ハーネスも異常ない。何でや?というのが前回まで。

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エキサイタコイルの発電電圧、イグニッションコイル1次側に印加される電圧が正常かどうかが分かれば、不具合個所が絞れそうだ。この2点の電圧は以前も確認したけど、上手く測定出来ていないのではないか。というのも、エキサイタコイルの発電電圧もイグニッションコイルに印加する電圧もパルス的(瞬間的)な電圧変化なので、アナログテスターではレスポンスが悪くてピーク値が測れないのではないか。という事で、最大値ホールドが出来るデジタルテスターで計測してみる。

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海外製互換コイル 72.2V

 

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純正オリジナルコイル 72.4V

エキサイタコイルの発電電圧は通常100V前後の様でそれに比べると低いものの、アナログテスターよりは遥かに高い数値が出る。コイルは新品で、コイルから出たケーブル端で測定しているのでコイルが悪いとは思えない。

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じゃあフライホイールなのか?(コイルの周りをフライホイールの磁石がグルグル回る事で発電する) 見た所何処も悪そうには見えない。見て分かるレベルなら致命的だろうけど。発電効率が下がってフライホイールを交換した、なんて話は聞いた事が無い。

 

次にイグニッションコイルに印加される電圧。最大値ホールドだと30V前後になる。ただ、キックした時に表示が瞬間的にOL(オーバーレンジ)になる。テスターの測定範囲は600Vなので、瞬間的にはそれ以上掛かっているという事なのか。イグニッションはエキサイタコイル電圧よりも更に電圧の立ち上がりが瞬間的になるから、電圧最大値が短過ぎて測れないのかもしれない。CDIを替えてみても変化しない。

 

釈然としない。もう一度スパークプラグの火花を確認すると、日中でも稀に火花が見える時が有る。ただ、見える時と見えない時が有る。暗闇では毎回見えるけど、明るいと見える時見えない時が有る。何故だ?火花が弱くて目視では限界があるので、録画して確認する。

youtu.beコマ送りで注意して見ると、スパークプラグの電極部ではなく、スパークプラグの外側電極(ネジ端部のL型部)とエンジンヘッドとの間でスパークしている(0:10辺り)。どういう事だ?エンジン側から電気が流れている?そんな訳ない。感電しないし、それならスパークプラグのネジ部や六角部分で通電するはずだ。これはスパークプラグの電圧が足りず、電極間ではなく碍子を伝って外側電極に電気が流れてるんじゃないのか。何かがおかしい。スパークプラグへの電気が上手く流れていない。スパークプラグまでの電気が正常なのだとしたら、スパークプラグからのアースが上手くいっていないのではないか。

 車両入手当初アース不良を疑ってアース線を引き直しているし、スパーク不良を調べている時もアースを疑ってテスターで確認している。でもアース線の取出しはクランクケースからだった。発電用コイルのアースがエンジンアースだったので、なるべくコイルに近いクランクケース(スプロケットカバー)から取った。エンジン本体は全体で導通が有るはずだけど、スパークプラグが付いているのはシリンダーヘッドなので、シリンダーヘッドからアース線を取り出すのが最もロスが無いはず。シリンダーヘッドからアース線を引き直したら、以前は暗闇でしか見えなかったスパークが、夜間の照明下でも目視出来る様になった。そうか、アースが原因だったのか。と安心して日中に再度確認したら見えない。火花が弱くて昼間では見えないんだ。現象としては何も変わっていない。

 

さて困った。もう手が無い。イグニッションコイルまでは正常なのだとしたら、ダイレクトイグニッション、又は強化イグニッションコイルに替えて無理やり強い火花を作るか。ただ、ダイレクトイグニッションはスパークプラグまでの送電ロスを低減させる為の物なので火花が強くなる訳ではなく、求めている物とは違う気がする。根本的な解決にはならないけど、手立てがないので社外品の強化イグニッシンコイルを買って交換してみる。

 

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 武川のイグニッションコイル。ハイパーなコイルなので強い火花が出るんじゃないかという期待。コイルとケーブルのみなので、プラグキャップを別途用意する必要が有る。が、変わらない。日中では火花が目視出来ない。ハイパーなコイルといっても極端に電圧を上げている訳では無さそうで、不具合をコイルで誤魔化す様な使い方は無理だった。

もう1つ火花を飛ばす手立てが有って、それは「スパークプラグのギャップを狭くする」という手。電極間が広ければ火花を飛ばす為に高い電圧が必要になるけど、電極間が狭ければそれだけ低い電圧で火花を飛ばせる。ただ、狭過ぎると燃焼に問題が出る様だ。とりあえず使い古しのプラグを使ってギャップを狭めてみる。標準は0.8mm前後の所を、0.4mmほどにしてみたら日中でも火花が目視出来る様になった。ただ、始動しない。根本的に火花が弱い。という事は、電圧が足りていないんだ。

 

ハーネスも調べて絶縁、導通も確認した。アースもちゃんと取れている。なのに火花が弱い。「火花が飛ばない」なら原因を特定しやすいけど、「火花が弱い」という中途半端な症状が余計に厄介で原因がつかめない。でも、明らかに弱い。アースだと思ったのに、解決せず酷く落ち込む。もう後はフライホイール(の磁石)位しか思い浮かばないんだけど、フライホイールって幾らするんだよ? 磁石の磁力って戻せないのか? 外すのに特殊工具要るんじゃないのか? というか、いつまで続くんだコレ。

 

今回の出費

イグニッションコイル

 SP武川ハイパーイグニッションコイル 05-02-0008 3,322円

プラグキャップ

 NGK SD05F 621円

計 3,943円

 

 

猫を拾いに 川上弘美

 

 

 

猫を拾いに (新潮文庫)

猫を拾いに (新潮文庫)

 

 誕生日の夜、プレーリードッグ地球外生物が集い、老婦人は可愛い息子の将来を案じた日々を懐かしむ。年寄りだらけになった日本では誰もが贈り物のアイデアに心悩ませ、愛を語る掌サイズのおじさんの頭上に しぐれが降りそそぐ。不思議な人々と気になる恋。不機嫌上機嫌の風にあおられながら、それでも手に手をとって、つるつるごつごつ恋の悪路に素足でふみこむ女たちを慈しむ21篇。

★★★☆☆

 

レビュー

 川上弘美の短編集。老若男女登場人物の描写が上手くて、あれ?これエッセイだったっけ?と思いかける。時折ファンタジーが織り込まれ、それぞれの短編はほぼ因果無く、ゆるく話が進む。

悪くは無いけど秀でて何かが残る訳でもない。ただ、作者のゆるい文体は嫌いじゃない。

三体 劉 慈欣

 

 

 

三体

三体

  • 作者:劉 慈欣
  • 発売日: 2019/07/04
  • メディア: ハードカバー
 

 物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。数十年後。ナノテク素材の研究者・汪森(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体“科学フロンティア”への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象“ゴースト・カウントダウン”が襲う。そして汪森が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?

★★★★☆

 

レビュー

 言わずもがなのSF超大作ベストセラー。中国のSF作家が描く3部作の第1部。3部作なのにこの作品だけで433ページも有るかなりのボリューム。

中には序盤が退屈という意見も見られたけど、意外に序盤の方が面白かった。予備知識を持たずに読んだので先の展開が全く分からない。葉文潔(序盤に中心となる女性科学者)がどうなってしまうのか?紅岸基地とは一体何なのか?

ところが、紅岸基地の真の目的が分かると「え?そっちに行くの?」的な展開になり、終盤になると序盤から中盤でばらまいた伏線を延々と説明する様な文体になってしまって驚くというよりは興醒めする。

緻密で破綻が無い設定は凄いし、「三体」の意味が分かると「なるほど、すげーな」って思える素直に良い小説だと思うけど、いまいち世界にのめり込めないのは何故なのか。