単管パイプを使ってガレージを自作する。単管パイプというのは足場などを組む際に使う規定サイズの鉄パイプの事。バイク用ガレージは既に有るんだけど新たに大型バイクを置く事になり、どう考えても入らない。かといってそれなりのバイクを雨ざらしには出来ない。

なので新たに置き場所を用意する必要が有る。しかし大した敷地面積ではないので置き場所に使える個所も限られる。占有してもあまり不都合が無い隣との間の隙間を使う。

敷地を採寸しておおよその図面を描く。正確じゃなくても、必要な材料を考えたり組み立て方を考えたりするのに図面が有った方が良い。
使用する単管パイプはφ48.6mm。もう少し細いパイプも有る。幅の狭いガレージなので細いパイプでも充分な気がするけど、主流の物を使った方が材料の入手はしやすい。軽トラを乗り替えてしまったので購入した資材を運ぶのが大変。

まずは基礎というか足場を組むベース部分から。300×300のコンクリート板を6ヵ所置き、その上にパイプを組んでいく。基礎は重要で、ここをきちんとやっておかないと後で上物が歪んだり傾いたりする。で、後から修正するのが極めて大変。なんだけど、基礎の作業って地味で面倒臭い。さっさと組み立てたい。

単管パイプを組み立てていくのに使うクランプ金具。これは直交クランプで、パイプとパイプを90°で交差させて組む時に使う物。角度が自由に動く自在クランプとか、他にもいろんな種類がある。クランプして固定していくのでネジ穴が合わないなんて事もなく、ある程度アバウトに組み立てても何とかなる。
なお、パイプとパイプを重ねて固定する為、パイプ1本分出っ張る事になる。それを見越して設計する必要がある。

クランプを固定するのに17mmのレンチを使う。スパナでも作業は出来るけど、手早く作業する為にラチェットレンチは有った方が便利。シノ付きラチェット、ネガネラチェット、インパクトドライバーを用意したけど、シノ付きラチェットが一番使いやすい。これ1つだけで充分だった。バイクや車の通常の整備で使う様な工具ではないので改めて買うのは微妙だけど、有ると作業が捗る。
なお、ドリルドライバーは有った方が良い。波板の固定等で木ネジを多数使用するから。全て手で回して締めるのは物凄く大変。

ベースの上に単管パイプを組んでいく。一人で作業しているので、まず自立する所まで組むのが大変。

一端自立する所まで組んでしまえば後はゆっくり作業が出来る。自立したパイプの水平/垂直を出していく。家屋側はガス配管、雨どい、電力メーター等があるので避けて組む。クランプ金具なので自由が効いて、この辺は現合で組み立てやすい。

家屋側のパイプを壁に固定する。パイプはベースのコンクリートに載っているだけなので、屋根と壁を付けたら強風で動いてしまうかもしれない。しかしパイプを壁に固定するU金具が売り場に見当たらない。それに仮にU金具が有ったとしてもパイプと壁が離れているので隙間を埋める為の加工が必要になる。なので垂木クランプを代用し、壁に固定する金具を自作する。固定具は木材や長穴加工されたアングル材などでも作れると思う。
壁材はサイディングなのでビスが強固に固定出来ない。梁センサを使って梁を探し、そこに固定する。

屋根の部分を組んでいく。単管パイプを切断する為のパイプカッターを持っておらず、なるべくパイプを切らずに規定寸法のパイプのみで組む予定だったんだけど、1.5mパイプをそのまま使うと隣の敷地にはみ出してしまう。やむを得ず屋根部分のパイプのみグラインダ(切断砥石のサンダー)でカットする。
反家屋側の支柱もカットしたかったんだけど面倒臭かったのでそのまま使用している。なので屋根の勾配があまり取れなかった。家屋の間の隙間なので大量の雨が降り注ぐことはないだろうという楽観。

屋根材の波板を張る為に垂木を渡す。波板をそのまま単管パイプに固定する様な物が有れば良いんだけど、どうやらその様な物は無くて垂木を介在させるのが一般的な様。

波板を垂木に固定する為の固定具。20年程前に庭にテラスを作った際に余った物が残っていた。もっと簡素で安価な物も売っているけど、これはポリカーボネート製の波板支持具が使われていて、しっかり固定出来て良い。

波板は定尺では長過ぎるのでカットする。波板専用のハサミを使うと綺麗に真っすぐ切れて作業が捗るけど、他に使い道が無い特殊工具。

天井の波板を張り、雨どいをつける。木材とは違い単管パイプなので雨どいの支持金具を固定するのが難しい。壁部分も波板をつけるが、ホームセンターの波板の在庫が9枚しか無くて足りず、壁が半分しかない。

とりあえずガレージの体裁は出来たので、バイクを入れる為のコンクリート板を埋設する。なんせ重量が270kgもある大型バイクだから、ちょっとした段差や不整地でも押し引きが出来ない。本来ならコンクリートを打って均すのが一番良いんだけど、手間と金が掛かるのでコンクリート板でなるべくフラットにしておく。

バイクを入れてみる。実際に入れてみるまでどうなるか不安だったけど、なんとか入った。写真だと結構余裕が有る様に見えるけど、実際に重量級のバイクを入れるにはギリギリ。大型バイクの運転うんぬんよりも、ガレージからの出し入れが一番テクニカル。側面の波板が足りない部分をシートで覆っておく。完全なガレージではないのでバイクシートを掛けておく。
かなり余裕がある様に見えるけど、パニアケースや予備カウル(外装)なども収納する予定で、それらが結構かさばりそう。

出入り口部分を雨が吹き込まない様にシートで覆っておく。定尺のシートだと丁度良い寸法が無い。ゲートバーは片側を自在クランプにして跳ね上げ出来る様にしておく。多少は防犯効果に役立つのでは。シートで覆うとバイクが見えないので盗難防止には効果が有るかもしれないけど、家屋の隙間が見えなくなるので泥棒の侵入には逆効果の様な気がする。
バイクを引き取らないといけないので急いで作る必要が有り、壁とか出入り口とか隙間が空いて微妙な出来になってしまった。暇とやる気と金が有れば修正するかもしれない。大型バイクの出し入れに難儀して、なんだかそのまま物置になってしまいそうな気もする。
作業時間はトータルで2日くらいかと思う。休日の合間で作業しているので数日掛かっているけど、集中して一気に作業すればそれほど長くは掛からない。ただ、予め充分に段取りしておいた方が良い。行き当たりばったりで作業したり、途中でどうやろうか悩んだりするとかなり時間をロスする。
今回の出費
単管パイプφ48.6×4m @2,480×5 12,400円
単管パイプφ48.6×2.5m @1,680×6 10,080円
単管パイプφ48.6×1.5m @998×8 7,984円
キャップ @48×28 1,344円
直交クランプ @195×31 6,045円
自在クランプ @195×1 195円
垂木クランプ直交 @198×22 4,356円
固定ベース @398×6 2,388円
コンクリート平板300×300×40 @578×7 4,046円
コンクリート平板300×600×60 @1,580×7 11,060円
木材2×2 38×38×3650 @1,550×4 6,200円
ポリカーボネート波板6尺 @2,280×9 20,520円
軒樋 KQ6140 @2,180×1 2,180円
竪樋 KQ6241 @1,980×1 1,980円
集水器 KQ6343 @1,080×1 1,080円
丸止まり @228×2 456円
ワンタッチ並受 @208×5 1,040円
透明糸入りシート1.8m×1.8m @1,480×3 4,440円
小計 97,794円
消費税 9,779円
総計 107,573円
波板の固定具や木ネジ類は在庫を使っているので費用に含まれていない。単管パイプや金具は意外に安い。反面、ポリカーボネート製の波板は意外に高くて枚数が増えると結構びっくりする値段になる。別にポリカでなくても構わないんだけど、経年劣化で張り替える手間を考えるとポリカにしておいた方が楽ではある。
もっと安価に出来るだろうと思っていたけど10万円以上掛かっている。それなら既製品の完全密閉出来るバイクガレージが35万円で買えるなら高くはないのかもしれない。それが買えるか、建てられるかは別としと。自宅近辺でコンテナガレージを借りようとすると相場は2万5千円程度の様で、4ヵ月で元が取れるなら充分かと思う。いずれにせよ単なる僕の趣味でしかない物に金を使わせて貰えるのは有難い。
余談
新たなバイクを何処に置こうか奥さんに相談したら、庭にバイク用ガレージ(物置みたいな物)を置けば良い、と言われた。これ以上バイクを増やす事に対しても、それを自宅に置く事に対しても文句を言われないし、バイク用ガレージに金を使っても良いと言うは大変有難い。とは言うもののそれはそれで問題があって、まずバイク用ガレージって結構高い。定価で50万円くらいする。実売価格が7掛けでも35万円、それに施工費を入れるとやはり50万円近い費用が掛かりそう。ガレージだけ買って自分で組み立てても良いんだけど、あれだけの資材を仮置きしておく場所が無いので一気に組み立てないといけない。また、大型バイクを収納出来る充分な大きさのガレージを庭に置くと、かなり圧迫感というか閉塞感が生じそう。自分の趣味の為にそこまで不都合を与えるのは不本意だ。それにうちは車3台を縦列駐車しているので、庭に置いたバイクを出し入れるする度に車3台をどかさなければいけない。防犯上では有利だろうけど、面倒極まりなくて乗らなくなりそうだ。
そんな訳でアクセスしやすくて占拠しても影響が少ない家屋の間を使う事にしたんだけど、当然そんな場所では既製品のガレージや物置は入らないので自作する必要が有る。次の問題は、何を使って作るか。木材を使えば材料の切断はしやすい反面、強度を出すには「ほぞ穴加工」などそれなりの加工が必要で手間が掛かる。また、基礎の寸法を正確に出しておかないと歪んでしまうし、組み立てる木材の寸法も正確でなければ歪んでしまう。木材なので経年により腐食や虫食いなどの心配もあり、定期的に塗装しなければいけない。対して足場材(単管パイプ)は組み立てにクランプ金具を使うので施工の自由度が高いし、施工も早い。鉄パイプなので腐食はするけど、虫食いはしない。ただ、パイプを切断するのが大変。今回は単管パイプを使って組んだけど、ある程度の構造物を作るならパイプカッターまで用意した方が良い。

ちなみに、以前庭に6m幅くらいのテラスを自作している。その時は2×4の木材を使用した。設計から材料の選定・購入、施工まで一人でやってたので大変で、2ヶ月くらい延々と作業していた。でも作ったのが2005年なのでもう20年以上経過している割には台風や大雪にさらされても未だにちゃんと保っているので、苦労した甲斐はあったと思う。天井の波板もポリカーボネートを使用しているので一度も張り替えていない。横の梁に昔子供の為に作ったブランコの支持金具が残っていて、時の流れを感じさせられてなんだか懐かしい。








