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寄る年波

 

 

 

日曜日にバイクに乗っていたら転んで怪我した。

 

1日目。転倒した際に右足をバイクに挟まれて、足首と膝を捻ってじん帯を傷めたっぽい。

 

2日めは若干痛みは和らいだものの腫れが酷い。くるぶし付近の皮膚が水膨れの様なぶよぶよした感じになっている(反対側なので写っていない)。

 

腫れは足首の方が酷いけど、痛みは膝の方が酷い。足が上げられない。医者に行ってみたけど骨には異常はなく、じん帯の痛みに対して出来る事はないので傷薬を処方された程度。

 

 

骨に異常が無かったのは幸いだけど、これだけ酷い怪我をしたのは初めてたっだ。転倒した後、立ち上がれない。右足が上がらなくてバイクに跨れないし、バイクから降りる事も出来ない。右足なのでキックも蹴れないからエンジンを再始動できない。同行していたバイクの師匠Sさんのバイク(ヤマハ・セロー)を借りて帰ってきた。

 

 

オフロードバイクでダートを走行中に緩い下りの右コーナーでフロント(前輪)が滑った為バランスを崩して転んだ、という良く有るシチュエーション。過去にも何度か同じシチュエーションで転倒した経験が有る。しかしここまで酷い怪我には至らなかった。今までたまたま運が良かったのか、加齢による衰えなのか。その両方なのか。スタンディングだったので挟まれやすかったというのもあるし、モトクロスブーツを履いていなかったのでダメージが増大したというのもある。

そもそも走り始めから違和感を感じていた。フロントがやけに跳ねるから。跳ねている間は路面と接地していないので、タイヤがグリップしなくて不安定になるという事。その原因が自分のライディングによるものなのか、タイヤの影響なのか、サスペンションの影響なのか、判断がつかなかった。タイヤの空気圧を下げてもあまり改善せず、「今日は何だか転びそうな気がする」と言っていた。オフロードバイクでオフロードを走れば転倒はつきもので、別に珍しくもないし驚く様な事でもない。オフロードバイクは転ぶものだと思ってる(なるべく転ばない様にはするけど)。しかし不調を予見していてペースも下げ気味にしていたのに転んでしまった、というのはちょっと何か違う気がする。

 

当日はまともに歩けなかった。やむを得ず月曜は仕事を休んだけど、何とか歩ける状態にはなったし車の運転も出来るまでになったので火曜日からは出勤した。ただ、当分XR600Rのキックは蹴れないし、VFR1200F用のガレージを自作する予定だったけど作業出来るかどうか怪しくなってきた。

今回転んだXR600Rはせいぜい重量は130kg程度。それがVFR1200Fだと270kgになる。倍の重さだ。走るシチュエーションが全く異なるけど、これは僕が乗って良いバイクなんだろうか。先日もライディングに関してモヤモヤと考えたけど、本当に考えなきゃいけないタイミングかもしれない。転んで怪我して自力で帰ってこれない、なんて事は金輪際勘弁してほしい。

 

 

 

 

 

 

HONDA VFR1200F(2011年式)  エンジンオイル交換

 

 

 

先日譲り受けたバイクの整備をする。車両はホンダ VFR1200F(DCT)。年式は恐らく2011年式。初年度登録で見ると2017年だけど車体番号で見ると2011年になる。

 

サービスデータ

推奨エンジンオイル ホンダ純正 ウルトラG1 SAE 10W-30

使用量 オイル交換時(DCT車) 3.6L

オイルフィルタ交換時(DCT車) 3.9L

 

ホンダの2輪用オイルが、G1 G2 G3 G4が有って、数字が大きくなる程高性能なオイルになる。中でもG1は最もベーシックなオイルだけど、リニューアルしていてG1という銘柄は現在販売されていない。現在のラインナップでG1に相当するのは

Pro Honda standard

になる。standard < sports < premium sports < Racing の順で高性能になる。今回は一応 standard ではなく sports にしている。日本国内の一般道で1200ccのエンジンをトップエンドまでブチ回す様なシチュエーションは皆無なので、standardでもなんら問題無さそうな気はするけど。ちなみに standard も sports も部分合成油になる。100%化学合成油は premium sports から。

 

 

 

 

 

ここ最近ロードバイクやリッターバイクには興味が薄かったのと、VFR1200Fはかなり不人気車種だった様で僕は譲り受けるまで存在すら知らなかった。不人気ながら一応ホンダのフラッグシップの位置づけとなるモデルで、なかなかにヤバいバイク(色んな意味で)。

 

大体、エンジンオイルを交換する為にアンダーカウルを外さないといけない。しかもアンダーカウルを外すためにアンダーカウルが干渉するカウルも外さなければいけない。なんだこりゃ。まずエンジン右側のカバーを引っ張って外す。

 

クラッチカバー後端付近にカバー固定部の穴が有る。この辺りを引っ張る。カバーは下端がヒンジになっていてパカっと開く。クーラントの補充口が見えるので、メンテナンスハッチになってるんだろう。

 

アンダーカウル右側を固定しているボルトを外す(2ヵ所)。六角レンチを使用して外すけど、ボルトがボタンボルト(頭が丸いボルト)なので六角穴が浅い。その為ボールポイントの六角レンチだとボルトを保持できなくて作業性が著しく悪い。ボールポイントではない六角レンチを用意した方が良い。

 

左側も外す。アンダーカウルを固定しているのは右と同じくボルト2ヵ所だけど、サイドカウル内で差し込みで固定されている。サイドカウルも緩めないと外せない。もうカウル外したままで良いんじゃないのか。

 

アンダーカウルを外して、ようやくドレンボルトにアクセス出来る。が、なんとエキパイに囲われていて作業性が著しく悪い。使用するのは17mmのレンチだけど、ラチェットレンチ(12.7ドライブ)が入らない。入るけど緩められない。メガネラチェットも振れない。メガネレンチで緩めて指でセコセコと緩めなければいけないんだけど、エキパイに囲まれているので火傷しそう。V4エンジンの凝ったエキパイだけど、作業性は悪いしどうせカウルで見えない。

 

面倒くさがってオイルパックンでオイルを直受けしたけど、オイルを抜く時はトレー受けした方が良かった。ロードクリアランスがあまり無いので、オイルパックンのビニール袋がエキパイに触れて溶け穴が空く。あと、狭いのでオイルが飛散して汚してしまう。面倒でもトレー受けした方が良い。

 

やっとこ外したドレンボルト。M14×P1.5。パッキンはM14用の厚めのアルミ製。

 

 

ドレンボルトを戻して、新しいオイルを補充する。エンジン右側クラッチカバー辺りに有るフィラーキャップから補充する。見れば分かると思う。同じく右側下部にオイル点検窓が有るので、窓の真ん中付近までオイルを入れる。が、このクソ重たい車両を垂直にした状態で点検窓を覗くのは自殺行為なのでは?覗いている時にバイクが倒れてきたら挟まれて死ぬのでは?

 

 

 

あと、サイドカウル後端を留めているボルトが無い。汎用ボルトで代用しようかと思ったら段付きの特殊ボルトだった。カウルに負荷を掛けずにしっかり締められる様に段付きになっている。汎用ボルトではカウルを圧迫するので純正部品買わなければいけないな、と思ったらオーナーが用意していたので戻す。

 

シート下の配線がぐちゃぐちゃ。シートで挟んで壊しそうなので整理する。

 

電源端子とかアース端子とか有るんだけど配線しなくて良いのか?多分ドライブレコーダーの配線の様な気がする。後付けの物でとりあえず走行に支障は無さそうなので必要なら改めて整備する。

しかし恐ろしくゴツいグラブバー(取っ手)だな。こんな頑丈な物をそこら中に付けまくってるからクソ重たいんだろ。

 

整備した。いつも手に入れた車両はフル整備しなきゃならないのに、今回は拍子抜けする程やる事が無い。とはいえ、こんなバイクのフル整備なんかやりたくない。

 

このバイク、DCT(デュアル クラッチ トランスミッション)なのでクラッチレバーが無い。そしてパーキングブレーキが有る。

 

DCTはいわゆるATなのでシフトペダルも無い。DCTはフォードの中古車でとんでもない目に遭ったからトラウマというかもう二度と関わりたくないんだけど、ホンダ製だから大丈夫か。シフトチェンジが不要なので、ライディングブーツじゃなくても運転出来るのは利点かもしれない。安全性はともかく、サンダルでも運転出来る。

 

というか、こんな電子制御の塊&フルカバーのバイクの重整備なんか素人がやるもんじゃないぞ。これはお金が有る人がディーラー任せにして乗る物だろ。とはいえ僕にそんな金銭的余裕は無いのでサービスマニュアル(整備書)を入手した。VFR1200Fのサービスマニュアル、VFR1200Fのパーツリスト、VFR1200Xのサービスマニュアル。何でサービスマニュアルが2冊も有るのかというと、間違えてVFR1200X用を買ってしまったから。紛らわしい。

こんなバイクのサービスマニュアルなんか売ってるのか?と思ったら結構沢山売ってる。しかも安い。パーツリストなんて360円だった。余程人気が無い(需要が無い)んだろう。パーツリストはネットでも見れるんだけど(海外仕様)、この値段なら紙のパーツリストを保有しておいた方が良いだろう。海外仕様と国内仕様は吸排気系が異なる(かなり絞って出力を落としている)様なので、暇と金とやる気が有れば海外仕様に変更してみるかもしれない。

サービスマニュアルはめちゃくちゃぶ厚い。センサーと電子制御の塊だよ。もう素人が手を出せる領域ではない。もっとシンプルなバイクの方が良いなぁ、と思ったんだけど、最近のバイクはどれもこの程度の制御は行ってそうなので、VFRが特別な訳ではなさそう。

 

 

近々車検と名義変更を行う予定。しかし重い。めちゃくちゃ重い。出し入れするだけで緊張する。これはゲルマン民族とか、シュワルツェネッガーが乗る様な物で、日本のヒョロガリジジイが乗るバイクじゃない。倒さない自信が無いし、倒して挟まれたら多分骨折する。

 

 

 

今回の出費

オイル Pro Honda sports @2,398×4 9,592円

消費税 872円

サービスマニュアル VFR1200XD 1,704円

サービスマニュアル VFR1200FD 4,240円

パーツリスト VFR1200FD 363円

 

計 16,771円

 

 

 

 

 

藁を持たないわらしべ長者

 

 

 

まるでわらしべ長者みたいだ。

 

 

Tさんとは随分と長い付き合いになる。といっても親密な間柄という訳でもなく、頻繁に会う事も無く、年齢も少し上という事もあり友人というよりは知人に近い。

そもそもの出会いは僕が二十歳そこそこの頃になる。本屋で立ち読みしていた所に声を掛けられた。僕が当時乗っていたバイク(ヤマハXJ750E)を見て、要らなくなったら譲って欲しいと言う。突然知らないおじさんから声を掛けられて驚いたものの、僕としてもそのバイクをとても気に入っていた訳ではなくむしろ金が無かったので渋々乗っていた様なものだったから、良いですよと乗り替える際にタダ同然で譲った覚えが有る。それで終わるはずだった。それが、僕が転職で入社した会社でそのTさんも偶然働いていた。会社でバイクに乗っている人はそれ程多くなかったので、社内で会えば時々話をしていた。バイクの話以外でも、象鼻山から南宮山まで縦走路が有るというのを教えてくれたのもTさんだ。

その後、トライアルバイクが有るんだけど要らない?とか、125のスクーターが有るけど要らない?とか、カブのエンジンが掛からなくなったからあげるとか、思い返せばなんだかんだと色々貰っている。トライアルはタダだったけどかなりガタが来ていて結局エンジンまでOH(しかもイタリア製で部品の入手が非常に困難)、スクーターもタダで外観は綺麗だったけどこれも煙を吐いてエンジンOH、カブはエンジンが掛からずすったもんだと修理したのでそれなりには苦労している。とはいえカブは最終的に今乗っているバイクの下取りに使ったし、カブが無ければ買えなかった。まるでわらしべ長者の様だ。だけどわらしべ長者は最初に手にした「藁」を交換して長者になっている。僕はその「藁」すら持っていない。わらしべ長者と言うより棚から牡丹餅と言うべきか。しかし棚から牡丹餅と言うと何だかあんまり良い印象を受けない。どれもタダ同然で貰っているんだから良い印象もクソも無いんだけど。

 

その後僕は転職したしTさんも定年退職したので疎遠になっていたんだけど、先日Tさんから連絡が有ってまた「バイクをあげる」と言う。二つ返事で「貰います」と答えた。最近デカいバイクに乗れたら良いなと思っていたので、まさに絶妙なタイミングじゃないか。しかし最初は大いに喜んだものの、そのうち段々と心が重くなってきた。それはTさんは年齢的にも体力的にも大型バイクは乗れなくなり、今は体調もすぐれないからだ。これはつまり終活の一端なんだ。

Tさんは独身で子供も居ない。だから随分と縁が薄い僕にお鉢が回ってきたんだろう。しかし10年ほど前の車両とはいえ非常に綺麗な大型バイクなので普通にバイク屋に売ってもそこそこな金額になるはずだけど、多分お金の問題ではないんだろう。そういう僕自身、そろそろ終活を考えないといけないと思っている。高齢という程の年齢ではないけど既に中年から壮年に差し掛かり、いつ死んでもおかしくはない。病気かもしれないし、バイクや車の事故かもしれないし、登山で遭難するかもしれない。そうなった時に、所有しているバイクや車をどうしたら良いか家族に伝えておかなければいけない。バイク王で二束三文で買い叩かれる位なら、例え金にならなくても世話になった人や知人友人、価値が分かる人に委ねた方が幸せなんじゃないか。きっとTさんも同じ思いなのでは。そう思った時、その委ねる相手が僕だったという事、それはTさんは僕の事を信頼に値する人間だと認めてくれたという事、そんな評価をしてくれた人が老いていく事に、そして僕は与えられるだけで何もお返しが出来ていない事に胸が締め付けられる思いがした。

今まではTさんも元気だったから、何も考えず「ありがとう!頂きます!」と諸手を挙げて喜べたんだけど、今回はさすがに気が重い。素直に喜べない。昨年近しい身内が亡くなったり、両親もそろそろ終活を始めたりと、身近な大切な人が去りつつある中でTさんからの申し出を受けて、凄く複雑な気持ちになる。大型バイクなんて要らないんだよ。本当ならみんな元気で好きな事を好きなだけ楽しめたら、それで僕も嬉しいのに。でも、そうもいかないのなら縁もゆかりも無いバイク屋にはした金で引き取られるよりは、僕が引き取った方がTさんも喜ぶだろう。

 

 

 

とはいえ、これはデカ過ぎるんじゃないか。僕の車よりエンジンがデカい。こんな物置く場所が無い。 そもそも今現在3台(+原付1台)も有るのに、これ以上増やしてどうするんだ。