シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 奇跡

幾度も出そうになるのを堪え、ぷるぷると小刻みに痙攣する膝に耐え、額にうっすらと汗をかきながら、僕は4分半の間我慢したんだ。えっ? たった4分半だって? 何言ってるんだい。僕にとってはこれでも驚異的な頑張りだったのに。スタンディングスティルの。
スタンディングスティルというのは、バイクに跨った状態で足を着かずにじっと止まっているという、非常に地味で傍から見ると何が楽しいんだか良く分からなくて危ない人と思われかねない、違う意味でとても危険なテクニックなんだけど、これがなかなか難しい。いつもは30秒ともたなかったのに、今日は驚異的な持続時間。練習する前にコケた事で今まで狂っていた車体のバランスが奇跡的に戻ったとか、人知の及ばない謎の力でバイクのタイヤを大地に強力に押し付けていたとか、偶然そんな奇跡的な事が起きたのかと思ったのですが、4分以上立っていられるというのはマグレでは無い様な気がします。その後はそれだけ長時間維持できなかった事と、土の上でしかダメな事(アスファルトの上ではシビア過ぎて出来ない)など、マグレ的な要素も有るのですが、何だか少しコツが分かったような気がします。ただ、バランスを取りながら数を数えている時に、2分を過ぎた辺りからもうどうでも良くなってきて、だってバイクって進むための乗り物で、例えトライアルであっても止まっている事には何の意味もない訳で、いくら5分10分立っていられてもその事自体にはあまり意味が無いと思えたからです。でも、なんとなく車体のバランスの感覚が分かった様な気がしたし、これをいつでもどこでも完全に出来る様になる事は、バイクに乗る上でとても有利になるはずだし、安定して出来るようになれば荒れた路面や傾斜した路面でも出来るようになるだろうから、やっぱり基本としてマスターしておきたいテクニックではあります。この感覚を忘れないうちに繰り返し練習しておきたいのですが、明日からしばらく天気が悪くなりそうです。とほほ・・
天気が悪い時は自宅でイメージトレーニングをしましょう。と、いうことで、黒山健一のステアケースが届きました。すっげー!これでステアケース(段差越え)バッチリ! と言う訳ではなくて、その前にフロントアップ(ウイリー)が出来ないと話しになりません。冒頭で黒山君も言ってます。
スタンディングスティルは危なくないし怖くないし音も出ないから良いんだけど、ウイリーはそういう訳にはいかないよなぁ。でも、今後絶対に避けては通れないんだよねぇ。まずはスタンディング。次にウイリー。DVDが役に立つのはその後です。