保安部品の取付けと配線まで終えたけど、エンジンを始動させると勝手にスロットル全開になる。どうやらクランクシールが悪いみたいだ、というのが前回まで。
分解用のツールと交換するシールが入ったので作業を進める。
特殊工具のフライホイールエキストラクタ。ジェネレータのローターを外す為の工具。以前スズキDR800Sの整備の際に特殊工具を自作した事があるんだけど、利用したナットのサイズがデカくて特殊で結構高かったので自作してもあまりうまみが無かった。だから素直に工具を買ったんだけど、後から調べるとM30P1.5のネジは千円前後で売っている。それ位なら自作すれば良かった。今はネットで何でも買えるから便利だよね。
とはいえ割と工具の精度が良い。トライアルショップで普通に売っているって事は使用頻度も高いという事だろうから、まぁ買っておいても悪くは無いかも。ベータ以外にもシェルコでも使えるみたい。ブレーキもそうだけどトライアルバイクって意外にメーカーを超えて共通のパーツとか互換が多かったりする。国産ならメーカーどころか車種毎にバラバラな印象だけど。
工具を使用しても抜き取りが結構固い。何とか抜けた。ローターを外すとコイルが出てくる。コイルの奥に問題のクランクシールが有るのでコイルも外す。プラスネジなので整備性が悪い。ネジを替えてしまいたいけど、下手に替えるとローターと干渉するかもしれない。
あと、コイルのベースの取付穴が長穴になってる。取付位置が変わるとピックアップコイルの位置も変わってしまうので特性が変わる? 外す前にマーキングして位置が変わらない様にしておく。
コイル外れた。問題のクランクシールが出てきた。
ちなみにコイルにもDUCATIのロゴが入ってる。
埃にまみれているけど、外観上で良否は分からない。
フォークシール交換の時には役に立たなかった自作のシールピッカーがこんな所で役に立った。シールは金属製の芯材が入っているのでタッピングビスをそのまま押し込んでも食い込まない。千枚通しで小さな穴を空けて、そこにねじ込んだ後に打撃で抜き取る。上手く行くか心配だったけど、比較的簡単に抜けた。
クランクシールを抜いた後の、クランクケースとクランク軸部。クランク軸にシールの跡が有る。シール不良を起こす程は摩耗していない。と思いたい。
クラッチ側はミッションオイルが有るけど、ジェネレータ側は完全にドライ状態。高回転で回転するし、それでシールのリップは損傷しないのかな。
外したシール(右)と用意した新品のシール(左)。シールは純正部品が今でも買えるのか、何処から買えるのかが分からなかったので汎用のオイルシールを買っている。
シールのサイズは普通に規格品の様で25.40.7。内径φ25、外径φ40、厚み7で一般的なシールのサイズ。オイルシールならNOK製が良いかなと思ったけど、古いシールは茶色っぽいのでKOYO製の方が良かったかもしれない。汎用シールが問題無く使えるのか分からないけど、ゴム系の製品は国産の方が性能高そうだし、とりあえず1個500円前後で買えるので失敗してもあまり痛手では無い。ただこれは個人的に自己責任でやっている事なので、国産の汎用シールでも問題無く使えますよ、と言っている訳じゃないし、まだ走れていないのでどの程度使えるのかも全く分からない。なので汎用シールを使うのはお勧めしない。
組付けはすんなり出来た。ジェネレータ側のシール交換は工具さえあれば比較的簡単で短時間で出来る。
が、エンジン始動させてみると、アクセルを煽らないと始動出来ない、掛かるとパァー!と回転が急激に上がった後ですぐにストールする。やっぱりクラッチ側も交換しなきゃダメっぽい。クラッチ側は面倒くさそうなので腰が重い。
今回の出費
送料 760円
オイルシール TC25407 1,252円
送料 550円
計 8,612円
続く
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