シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

趣味に共通するもの

 

 

ここ最近ロードバイクの事しか書いてないから自転車バカになってしまったんじゃないかと思うかもしれないけど、自転車楽しい。でも、自転車も他の趣味も根底に有るものは同じで僕にとっては変わらない。

 最初はバイクだった。バイクに乗りたかった。原体験は、小学生の時に自動車整備工場をしていた叔父の原付を運転させてもらった事じゃないかと思う。「ラッタッタ」の様な自転車にエンジンが付いただけの古臭い原付だったけど、衝撃的だった。遊園地のアトラクションは楽しいけど拘束されていて自由が無い。でもバイクは自由だ。自分の意思で動かせる圧倒的な自由が有った。高校を卒業し、バイトして免許を取り、安い中古バイクを買った。紆余曲折という程の事でもないけど、それは今でも続いている。

何がそんなに魅力なのかといえば、バイクの面白さは何といってもコーナーリングだ。バンク(車体を傾けて)して重力と遠心力をバランスさせて曲がる乗り物なんてそうそう無くて、そしてその絶妙なバランスを取るのは自分次第だという事。上手く操れる様になるとコーナーリング中もマシンに身を委ねる事が出来て、その感覚は他ではなかなか味わえない。スノーボードカービングに近い感覚だけど、バイクの場合はコーナーから加速していく。延々とくねくね道を走り続けられたら幸せだ。くねくね道でマシンの限界まで持っていけるどうか、チャレンジでもありアドベンチャーでもあるんだけど、公道でそれをやるのは余りにも危険で迷惑だ。だからオフロードバイクで山道に行ったりする。路面状況が悪くなる分、限界も下がる。でも、それでも危険な事には変わりなく、限界を越えれば怪我をするし最悪死ぬ。単気筒エンジンのバイクに乗ったり、オフロードバイクに乗ったりするのは僕にはそれが丁度良くて、それ以上のマシンは僕にはオーバースペックで扱いきれなくなるからだ。非力で車体が極めて細い単気筒マシンを上手く走らせるには極力ロスさせない操作が必要で、図らずも自転車によく似ている。

 それに比べて登山は道具の限界ではなく自分の限界だから、アドベンチャーしやすい。難易度や負荷を自分でコントロール出来るから。特に雪山は体力の消耗が激しくて、しかもルートが不明瞭だからメンタル面でも消耗が激しくて比較的簡単に限界が来る。難点なのは最低でも丸一日時間が必要なのと、難易度を上げると情報や装備にそれ相応の準備も必要になるという事で、失敗すると遭難する。最悪の場合、周囲に多大な迷惑を掛けて死ぬ。

 ロードバイクは、バイク(オートバイ)と登山の良いとこ取りした様なものだ。軽快感、爽快感が味わえ、マシンの限界よりも先に自分の限界がくる。何をやるにも自分次第だ。必要とする時間は登山に比べれば比較的短い。ある程度乗れる様になってくるとそこそこの距離を走るからやっぱり一日潰してしまうけど。限界に挑戦するというアドベンチャー要素は簡単に体験できるけど、登山と違い限界を超えても遭難しないのはメリットでもある。道具の準備も簡単だし、補給ポイントも沢山有る。ただ交通事故に遭う可能性は高そうで、ある程度自分でリスク管理出来る登山に比べると危険度は高いので一概には言えない。

 結局、僕はアドベンチャー志向なんだ。そういう意味では一輪車でさえもアドベンチャーで、根底の部分は何も変わらない。予定調和の物事など興味は薄く、実体験こそ重要だと思ってる。速いとか遅いとか上手いとか下手とか凄いとか偉いとかそんな事はどうでも良くて、自分に出来るか出来ないか、自分の限界を超えられるか超えられないか、ただそれが知りたくて、今やりたい事で一番やりやすい事が自転車だから自転車を漕ぐ。