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目指すのはジャンガリアンな生き様

四月になれば彼女は 川村元気

 

 

 

 

四月になれば彼女は

四月になれば彼女は

 

 

4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。
そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人と――。

天空の鏡・ウユニ塩湖にある塩のホテルで書かれたそれには、恋の瑞々しいはじまりとともに、二人が付き合っていた頃の記憶が綴られていた。
ある事件をきっかけに別れてしまった彼女は、なぜ今になって手紙を書いてきたのか。時を同じくして、1年後に結婚をひかえている婚約者、彼女の妹、職場の同僚の恋模様にも、劇的な変化がおとずれる。
愛している、愛されている。そのことを確認したいと切実に願う。けれどなぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去っていってしまうのか――。
失った恋に翻弄される12カ月がはじまる。

★★★☆☆

 

レビュー

 話題の恋愛小説。昨年末に図書館で予約した物がようやく届いたので読んだ。

難しくなくて読みやすい文章だけど、その分引っ掛かるものも深く残るものも無い。あぁこれ昔観た「ただ、君を愛してる」そのものだな、と思った。必然性から言えば、まだ「ただ、君を愛してる」の方が納得できる。

 

 この程度では感動も涙もしなくなったのは、歳をくったせいなんだろうか。もう人生の折り返し地点を過ぎてしまった僕には、あまりにももどかしい。

思えば、恋愛小説って壮大な他人の妄想なんだよね。

 

 

 

ミバレ

 

 

 

先日とある人から「ことけけさんってブログ書いてますか?」って聞かれた、という記事を書いた。あれは車に関する特定のワードで検索すると僕のブログが上位にヒットした事で分かっちゃったんだけど、実は他にもかなりヤバい検索ワードが有る。登山用のヘルメットとか、スノーシュー、あと山で乗る一輪車の名称を検索するといきなりトップページに出てくる。なんなら1番目に出てきたりする。マジかよGoogleさん。何で僕のブログがトップに出てくるんだよ。こんな記事でごめんなさいだよ。

長年地味に書き続けてきて、ようやくある程度読まれる様になったのはとても嬉しい。極々個人的なブログではあるけれど、そりゃ読まれた方が嬉しい。でも、余りにもヒットし過ぎると身バレしそうで怖い。「先日アレ買ったんですよ」とか、「趣味で一輪車の練習してるんですよ」なんていう日常的な会話の中から、ネットで検索すると出てきちゃうじゃない。

昔はネットやってる人もブログ書いている人も少なかったからアホな事言えたり、家族をイジったりも出来たんだけど、今はほんと些細なきっかけで炎上はするわ、家族や学校や会社まで特定されるわでネット怖い。迂闊な事書けない。

それでも、書いた記事が読まれたり参考にされたりするのは嬉しいし、細々と書けたらいいな。

 

 

 

本当の冬の山

 

 

 

去年の冬に三方崩山に登ろうとした時に、あまりにもハードでこれはルート取りが悪いのか?もっと歩きやすいルートが有るのか?と散々悩んだんだけど、先日伊吹山を裏から登ってようやく分かった。冬に山に登るって事は、こういう事なんだと。夏道の様に歩きやすい所ばかりは歩けない。必然的に過酷で不明瞭になるんだ。歩きやすい所を歩くのではなく、歩ける所を歩くんだ。僕は今までたまたま歩きやすいルートで登れる山しか歩いていなかっただけなんだ。

しかしハードだ。延々と続く雪の急登は心が折れそうになる。冬のテン泊装備となると尋常じゃない荷物になるし、本格的に冬の山を登る人はちょっとイカれてる。こんな辛いルート、2度と歩くもんか。そう思っていたはずなのに、下山すると次は何処をどうやって歩こうか考えてる。僕も少しおかしい。

 冬の山は良い。近場の低山でさえハードになる。普段のだらけきった生活の中で、両足が攣る様な経験をする機会は無い。一歩踏み出すこともままならないほど過酷な状況を体験する事も無い。コンビニも無いし、誰にも頼れない。頼れるのも、判断するのも自分しか居ない。そうやって自分の足音と自分の息遣いしか聞こえない静寂の中で、確かに今僕は生きているんだと実感する。

 僕が求めているものって壮大な景観ではなく、頂を踏んだという証でもなく、そういう事なんだと思う。楽がしたいんじゃない。精神的にも肉体的にも過酷な状況を乗り越えた先にある物が見たい。それは単に頂を踏めば得られるというものじゃないし、他人は誤魔化せても自分自身は誤魔化せない。

敗退するのは良い。理由が何であれ、それは自分の限界を垣間見たという事だから。そして、再チャレンジ出来る場が残さているという事だから。次の機会に備えよう。