シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

日産 マーチ 12S 平成17年式

 

 

 

今さらながらだけど、マーチ。納車後に前の車の装備を移したりしてゴタゴタしてたけど、ようやく落ち着いてきた。マーチがマーチに変わっただけなのに、というか色が変わっただけなのに、相変わらず運転するのが楽しくて仕方がない。K12マーチについては過去記事と重複するので基本的な事はこちらで。

 

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K12マーチの中期型。平成17年式なので、大きなMC(マイナーチェンジ)後すぐの車両になる。興味が無い人にはみんな同じに見えるだろうけど、幾度かMCしていてこの型のマーチは前期型/中期型/後期型が有る。

走行距離は納車時26700km。10年落ちにしては驚くほど走ってないけど、距離走っていなくてもゴム系のパッキン、ガスケット、ブーツ類は経年で劣化するので古ければオイル漏れ等の心配は有る。リヤゲート(ハッチ)のガスダンパーも抜けていて保持力が弱いってのもお約束。

カラーはアイリッシュクリーム。安くて程度が良かったから色は渋々妥協した感は有るものの、クリーム色は意外に汚れが目立たない。シルバーより汚れが目立たないかもしれない。この手のカラーを選ぶ人はガンガン走る様なタイプではないので、黒や青よりは程度が良い物が残っていそうだし価格も安い。

グレードは12S。「S」はスポーツのSではなく、一番ショボいグレード(商用向け12B以外で)で、ほんとに何も付いてない。電動格納ドアミラーすら無い。リモコンドアロックも無くて今時ドアのカギ穴にキーを差し込んでロックしなきゃいけなかったんだけど、購入先の車屋さんがオマケで後付けのリモコンを付けてくれた。リヤウィンドウがプライバシーガラスじゃないとか、リヤシートが分割で倒せないとか、その辺りの装備はオプションなので仕方が無いし、マニュアルエアコンはシンプルで故障しにくいのでかえって都合が良い。

 

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前期型12Cのフロント。写真では暗くて分からないけど、リップスポイラーがついていて可愛い外見なのにちょっとスポーティな雰囲気。結構低くて積雪時にはスポイラー擦る。

 

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中期型12Sのフロント。グリルの形状と、バンパーのエアスクープの形状が若干変わっている。マイクラ(マーチの海外名称)のバンパーのデザインが秀逸だったからアレにすれば良かったのに。バンパーの黒い丸はオプションのフォグランプを取り付ける穴。

 

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前期型12Cのリヤ。シンプルに見えるけど複雑な曲線で構成されてる。小粋な欧州車のようで今でも充分魅力的なデザイン。マフラーはノーマルで静かだけど、意外に低音が響く。

 

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中期型12Sのリヤ。リヤバンパー下部にリブが追加されている。ただのデザインなのか、空力の為の処理なのか、何の意味が有るのか分からないけど、僕は前期型のシンプルなバンパーが好きだった。テールレンズもデザインが変更されている。瓶底眼鏡とかぷよぷよみたいで、結構気に入っている。

 

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前期型12Cのインパネ。MTなのにタコメーターが無いという致命的な欠点とか、今時軽自動車でももっとマシだろうというチープさは有るものの視認性は良くて、タコメーターを追加して以降は特に不便は無かった。後付けのタコメーターは取って付けた感有り有りだけど、視線の移動量が少ないので頑張って走る時には都合が良い。

 

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中期型12Sのインパネ。中期型以降はMTにはタコメーターが付く様になった。タコもメーターパネル内に収まってスッキリしたけど、視線の移動量が増えるのと、トップエンドの位置がパッと見では分かり難くて頑張って走る時には見難い。ホワイトの文字盤で、夜間は文字部分が黄色の透過になる。若干スポーティな印象になったものの相変わらずチープ。でもシンプルで視認性は悪くない。デジタル表示部分は上段がオドメーター、下段がトリップメーター(A/B)もしくは時計を切り替えて表示可能。燃費とか気温とか、そういうのは勘。

前期型で不調だったドアロックの動作も良好。前は「ガッ・・コ・・」という様なかろうじて動いている的な音だったんだけど、中期型のドアロックは「ガチャッ!」と軽快な音がする。というかそれが普通なんだけど。これで家族が乗ろうと思ってもドアが開かないなんて事はなくなりそう。

電動パワーステアリングはMC後に手ごたえが増したけど、高速道路みたいな速い場面では違和感が有る。切った時に手ごたえが有る(やや重くなる)んだけど、そのフィールが一定じゃなくて違和感を感じる。まだマイナーチェンジ前の軽い方が切った感じはリニアな印象で良かった。重くすりゃ良いってもんじゃないだろうに。

他に、シートの座面が切り分けになってたり、ドアトリムが樹脂から布地に変更されたりして、ちょっとだけ内装の質感が向上してる。外観やシートなど目に見える部分だけではなく、メカ的な部分や調整個所も変更されていると思うので、特にこだわりが無ければなるべく年式は新しい方が色々煮詰められたり洗練されたりしていて良いと思う。

 

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廉価なグレードのMTの場合、シフトノブは鉄棒の先にいかにも安っぽいウレタンのノブが付いているだけ、というケースがほとんどだけど、マーチのシフトノブは廉価グレードとは思えないほど洗練されている。特に高価な材質が使われている訳ではないんだけど、上手くマッチして社外品に交換した方が違和感を感じる。僕がマーチを買うべきか悩んでいる時に、決め手となったのはこのシフトノブでもある。運転する度に頻繁に触れる物だから、良い物だと満足感も高い。国内販売されるMT比率から考えれば取って付けた様なシフトノブにしても良い様に思えるけど、欧州での販売を見据えての事かもしれない。

 

K12型マーチは今のコンパクトカーと比べると2世代ほど前の古臭い車になるけれど、普通に使う分には車としての性能は困る様なレベルじゃない。走行時のフィールとか詳細はこちらに書いてある。特筆すべきはミッションのフィールと減速比、あと過剰に柔らかくしていないサスペンション。これのお陰で平凡なリッターカーがゴーカートの様に機敏に走って、コーナーリングはもう痛快でしかない。

色々書いているけど、結局僕はマーチのデザインが好きなんだ。元々何でも丸みを帯びた形状が好きなのと、凝縮された塊感が有るのがツボなんだ。だから、駐車場で自分の車を見る度に「あぁ良いなぁ」って相変わらず思ってる。それは結果的に長く愛用する事に繋がってるんだと思う。

あえて難点を挙げると、電子スロットル(アクセル)のフィーリングが悪い。前期型に限らず中期型でも相変わらず悪い。アクセルを踏んだ時も、離した時も、レスポンスが悪過ぎて(異常に穏やか過ぎて)違和感が有る。セカンドカーの三菱アイ(これも電子スロットル)はワイヤーかと思う位物凄く自然な反応するからマーチはあえてこういうユルい制御の仕方にしているんだろうけど、この部分をユーザーで何とかしようと思っても非常に難しいので困る。普通に走る分にはレスポンスが悪い事による弊害はあんまり出ないし、シフトチェンジのショックも低減されるだろうけど、運転を楽しむなら極力リニアなフィールの方が良い。

あと、3千回転でのエンジンノイズ(共振?)はやっぱり悪い。前期型に比べると若干マシにはなってるけど、距離走ってないからかもしれない。5速で3千回転だと丁度100km/h辺りになるから、高速道路を巡行する時は不快になる。もっと遅いか、もっと速ければ気にならない。

マーチのMTを気にしている様な人はほとんど変な人だろうから余計なお世話だとは思うけど、マイカーをステイタスだと思っている人や車でモテたい人には当然向いてない。車にステイタスを全振りしたい人は高価で高性能な車に乗れば良いと思う。嫌味でもひがみでもなく本当に。でも「車を使って何かをしたい」と考えたり、車以外の事も充実させたいと思うなら、燃費や維持費は重要だ。世の中の大半の人は「マーチのMT」に対して興味も無いし、羨ましいとも思わないだろう。逆に、僕は良く売れているワゴンやSUVには興味が無い。大きくて豪華になれば必然的に重くなるし、車体が高くなれば必然的に不安定になる。いくらパワーやセッティングで誤魔化しても絶対的な重さと大きさは変えようがなくて、軽量でコンパクトな車の機敏さには到底及ばない。つまりそれらは運転する事が楽しい車ではないし、そういう事に主眼を置いていない。僕がバイクから遠ざかってしまったのは、マーチのドライビングがあまりにも面白いからだ。車とバイクは全く違う乗り物だけど、軽量コンパクトなマーチはバイクに近いものが有る。

マーチよりもっと良い車は沢山ある。そんなのは当たり前だ。だけど、汎用性と経済性、運転する楽しさと所有する楽しさを総合的に考えたら、これ以上の車は僕は思い浮かばなかった。だから2台も乗り継いでる。マーチのMTは、安くて使えて楽しい。

 

追記

K12型マーチを2台も乗り継いで(中古だけど)、市街地から高速道路、ワインディングに林道まで様々なシチュエーションでガシガシ走ってみて、ふとコレは「コストぎりぎりの条件で絶妙なバランスで造った車だ」と思った。特筆すべき点もない平凡なエンジンに、これまた安っぽくて平凡なサスペンション、外見は可愛らしいけど普通な車体。

1200ccで90馬力のエンジンは特に官能的なエンジン音とか回転フィールとかそんな感じではないけど、独りでエアコン切って運転する分には充分な動力性能。坂道でも猛然と加速していく。思い切りコーナーに入ってもヤワい感じはしない。これが大人4人乗ってエアコンつけたりすると「ううぅ・・・」となるけど、だからといってパワーを上げたら多分ダメな車になってしまうと思う。増加したパワーにサスペンションと車体が負けてしまうから。パワーに見合うサスペンションと車体にすると重くなり、重くなった分エンジンを大きくしてパワーで補い、そうするとエンジンが重くなって車体が負けてしまう。充分なコストを掛ければ軽くて強靭な車体としなやかで踏ん張るサスペンションにする事が出来るだろうけどそんなのは付加価値が高いスポーツカーや高級セダン位なもので、底辺のコンパクトカーに望めるものじゃない。

最初は安っぽい造りだなぁと思っていたんだけど、これは厳しい制約の中で頑張ってバランスを取った結果なんだと思う。充分に金を掛けた車じゃないから限界性能は低い。でも可愛らしい外見と裏腹に結構真面目に煮詰められた車で、低いながらもちゃんと応えてくれるし、限界も分かりやすい。多分金を掛けた車はもう少し落ち着いた挙動をするんだろうな、とか思うものの、マーチでも話にならない程酷くは無い。あまり性能が高過ぎると自分のスキルがついていけない。マーチは公道でドライブを楽しむにはなかなか良い車だと思う。

 

youtu.be

 参考

日産マーチ12S(K12 H17年式)

車体/エンジン/吸排気 ノーマル

ホイール BRIDGESTONE SUPER RAP

タイヤ ファルケン 175/70-14

シート BRID ZETA

撮影 ユピテル DRY-mini1x