- 作者: 片川優子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/06/15
- メディア: 文庫
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あらすじ
僕は、「佐藤さん」が怖い。ナイフを持っているわけでもないし、不良でもない。ごく普通のクラスメイトの女の子を僕が怖がる理由は、彼女に憑いているアレのせい−−。気弱な高校生の僕と、佐藤さんの不思議な関係は幽霊から始まった。
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レビュー
「佐藤さん」というタイトルはインパクトがあります。パラパラとめくって面白そうなので買って読んでみたのですが、とっぴも無い設定が生かしきれてないのと、登場人物が都合良過ぎるというか薄い感じがして物語の奥行きが感じられませんでした。小説というよりはケータイ小説かラノベ?といった印象を受けるし、ちょっと「僕」の弱々しさは度が過ぎるんじゃないの?お前は小学生か?と、思ったらかなり若い作家で、意図して純朴な高校生を描いたそうです。でも気が弱い僕でも違和感を感じるのだから、多分違和感を感じる人は多いんじゃないかと思います。
面白いか?といえば、物語としては面白いです。でも、やっぱり人物(特に脇役)と物語の奥行きが感じられなくて、折角のストーリーが生かしきれてない感じがします。予想を裏切らないセオリー通りのまとめかたは、児童書といった印象。
同じとっぴもない設定なのに違和感を感じさせない森絵都の「カラフル」は改めて秀逸だなぁと思う半面、その後に読んでしまったので物足りなさを助長させてしまった様な気がします。