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目指すのはジャンガリアンな生き様

年下のセンセイ / 中村航

 

年下のセンセイ

年下のセンセイ

 

みのり28歳。恋は3年していない。美味しい料理があって、気が置けない友達がいて、わたしの生活はどうにか回っている。そんなとき、通い始めた生け花教室で、8歳年下の透と出会い・・・。

★★★★☆

 

 

レビュー

中村航の小説は良い意味でのバカップルぶりが好きなんだけど、今作は落ち着いて上手くまとめられていた。

社会人と学生、年の差、そういう障害のもどかしさであるとか葛藤であるとか、そういう心情が上手く描かれていて面白かった。透も「年齢の割に落ち着いたイケメン」というだけでなく、年相応に頼りなかったり情けなかったりする辺りも上手く描かれていて良かった。特に友達とのガールズトークが秀逸。

ただ、上手くまとめ過ぎな感じもしなくもなくて、例えばこれが40女と30男だったとしたら全く違った流れになるだろうし、美男美女ではなく普通のおばさんだったなら、イケメンでなかったならどういう展開になるんだろう。それでは余りにも生々し過ぎるか。そういう点では「チェリー」の設定は相当ぶっ飛んでいて良かった。

 読みやすいので、恋愛小説好きならお勧め。