7月4日。日中の部屋の温度は34℃に達したけど湿度は38%程度で、気温の割には過ごしやすかった。夏っぽくて良いね、などとのん気な事を思っていたら翌5日も気温は34℃を超え、更に湿度も高くなって物凄く不快でたまらなかった。連日ニュースでは36℃だとか37℃だとか熱中症アラートだとか言っているけど、気温もさることながらこの高湿度なのが不快でたまらない。何もしていなくても汗ばんでくる。
若い頃は夏も好きだった。むしろ夏が好きだった。学生の頃は夏休みも有るし、TUBEとか杉山清貴&オメガトライブなどを聴きながら意味もなくキラキラとした「何か起こるかもしれない」という根拠の無い期待感に胸を膨らませていた。実際はトキメク事など何ひとつ起こらなかったんだけど。
20代はバイクに夢中だった事もある。バイクに乗るなら冬よりは夏の方が良い。「バイク=夏」というイメージだけど実際には真夏の真昼は暑くて乗ってられない。そりゃそうだ。油温120℃を超える様な空冷エンジンを股下に抱えるなんて何の罰ゲームだよ。ただでさえ暑いのに信号待ちで止まるとエアコンをガンガン効かせた車の熱気に囲まれて堪らない。真夏のバイクはマグロと同じだ。止まったら死ぬ。それでも浮かれて訳もなく走っていた。
僕が初めて所有した車は、知人経由で3万円で譲ってもらったホンダ・バラードCR-Xだった。格安だった代わりにエアコンが壊れていた。今思えばよくそんな車に乗っていたなと思うけど、30年前の夏はそれでもギリギリ何とか我慢が出来た。そんな車でデートもしていた。サイゼリアで食事する事すらバッシングされる今の時代、エアコンが壊れたボロ車でデートの迎えに行ったら即切されてSNSに曝されて炎上して立ち直れなかっただろう。そんなんでよくもまぁ結婚出来たものだと我ながら感心してしまう。今はもうだめだ。車の選定条件はまず「エアコンが効くこと」だ。37℃どころか40℃にも達しそうな今の夏場にエアコン無しの車に乗るのは僕には耐えられない。
こうも暑いともう何も出来ない。まるで変温動物の様に動く事が出来ない。バイクは車検が切れて乗れず、修理中のバイクも暑過ぎて直す気力もなく、登山は遠方の高山でなければとてもじゃないけど暑くて登れず、近場の低山でトレランなど自殺行為だし、何とかかろうじて朝方なら自転車がギリギリ乗れるくらい。
こんなのまだ冬の方がマシだ。バイクは辛いし寒くて動きたくないし昔は冬は嫌いだったのに。若かりし頃の様に夏に浮かれてトキメク事も無く、今はエアコンの効いたリビングでごろごろしながらこの酷暑が過ぎ去るのをただひたすらじっと我慢している。