シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

やりたい事

 

 

 

先日友人と山を歩いた時に嫉妬したという記事を書いた。あれから僕は、自分は何をしたいのか、なにをすれば満足出来るのか考えてた。

例えば今、「じゃあ何か1つだけやっても良いよ」と言われた時に、遠くの有名な山に登ろうと思うだろうか。泊りがけで縦走しようと思うだろうか。それはそれで充実した時間を過ごす事が出来て満足はするだろうけど、本当にやりたい事ってそれなんだろうか。みんなが良いって言うから、みんながやってるから、やりたいと思っているだけなんじゃないだろうか。結局それって「オレはこれだけ登ってるんだよ」って誇示したいだけなのかもしれないと思った。

今までの山行でソロに限って言えば、一番充実していたのはジャンダルム(西穂高岳奥穂高岳縦走)だった。一歩間違えば滑落死する険しい岩稜を延々と歩き続けるのはこの上なく楽しくて充実した時間だった。ロープクライミングを必要としないルートとしては最高峰に位置するルートで、その先を望むならクライミングの技術は不可欠になる。そう、僕がやりたい事はクライミングなんだ。

 それは分かっていた。だけど登山をする知人友人は居ても、クライミングをやる人は周りには居ない。聞きかじった情報では、クライミングは2人以上でやるのが基本らしい。登山とは違って、ソロでやるには余りにも敷居が高い。クライミングは登山に対して更に自由度が増すかと思ったら、何処でもやたらと登れるものじゃないという事も知らなかった。必要な道具類も分からないし、それらを揃えるには結構な金が掛かる。垂直に近い壁を登るんだから、上半身の筋力もスタミナも必要になる。まぁ、ざっと考えただけでも無理っぽい。だからやらなかった。

でも、本当にやりたい事なんでしょ。誰かに何とかしてもらおうとか、誰かがやっているから教えてもらおうとか、受動的な考え方ばかりではいつまで経っても前には進めない。それなら、とりあえず一歩踏み出さなきゃ。面倒くさいのに遠方までわざわざビレイ講習会に出掛けたのは、とりあえず一歩踏み出す為だ。ロッククライミング(リードクライミング)をやらないにしても、ハードなバリエーションルートで懸垂下降するとか、冬山でのビレイとか、沢登りでビレイとか、一般的な登山道を外れれば何かにつけて必要になる場面は出てくるだろう。もし今後誰かと共にやる機会が出てきたとしても、自分に関する基本的な事が出来るに越した事はない。僕が基本的な事をマスター出来たなら、周りにも勧めたり教えたり出来るかもしれない。

ロープクライミングのウォールはボルダリングとは全く違った景色で、凄く面白かった。あの高さをよじ登るのはなかなか体験出来ないし、ロープに身を任せて宙吊りになる経験も普段では有り得ない。踏み出した方向性はあんまり間違って無さそうだ。

 

まぁ、長々と書いた所で「やりたかったから」っていう一言で終わっちゃうんだけど。毎晩忘れない様にフィギュアエイトフォロースルーの結び方を練習している。