シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

HONDA XR600R リヤサスペンションリンクとサグ調整

 

 

 

僕のXRには車高下げリンクが付いていた。

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バイクのリヤサスペンションはスイングアームとフレーム間に直接取り付けられているタイプと、リンクを介して取り付けられているタイプが有る。直接取り付ける方が構造も簡単なんだけど、プログレッシヴな特性(サスペンションが縮むほど反発力が2次曲線状に増す、簡単に言うとよく踏ん張る)を得る為にパフォーマンス重視のモデルには大抵リンクが使われている。そのリンクの長さを変える事で車高(シート高)を下げるパーツが売っている。ノーマルのリンクに戻すとシートが高くなってしまうけど、リンクはサスペンションの能力にかなり影響を与えそうなのでなるべくなら元に戻したい。丁度ヤフオクで安くリンク部品が出ていたので購入して交換する。

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落札したリヤサスペンションリンク。スイングアームとサスペンション下端の間に介される部品。画像右寄りの棒状の物が今回の目的の純正のリンク。普通の使い方で壊れる様な物ではないので需要も少ないんだろう。中古が格安で手に入れられたので良かった。棒の部分を交換するだけならレーシングスタンドで浮かせるだけでリヤホイールを外さなくても作業出来る。

 

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ノーマルのリンク(上)と、車高下げリンク(下)。ノーマルリンクのピッチが83mm位なのに対し、車高下げリンクのピッチは95mm。僅か12mmの違いだけどかなり変化する。ノーマルのリンクにはベアリングの保護の為にシール(カバー)がついている。

 

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ニードルベアリングの内輪もダメージ受けていない。グリスは切れかかっていたので丁度いいタイミングだった。グリスアップして戻す。

 

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こんな物でどの程度変わるんだろう?って思ったら、結構変わる。XR600Rのスペックではシート高は955mmとある。車高下げリンクの時のシート高さを測り忘れたけど、ノーマルリンクでのシート高さは実測で920mm位。900mmを超えるシート高なんてなかなかお目に掛かれない。恐ろしいシート高。

リンクをノーマルに戻したらレーシングスタンドが車体下にすんなり入る。身長177cmの僕が跨ると両足が爪先立ちになるし、車体が高くなった分サイドスタンドを掛けた時に大きく傾いてしまう。久しぶりに本格的なオフロードバイクに乗ったけど、ちょっと緊張する高さ。これでは小柄な人だと乗れないかもしれないし、例えサスペンションの能力を落としたとしてもシートを下げたくなるのも分からなくもない。

 

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リンクをノーマルに戻したらサグ調整をする。サグ調整というのはリンク式サスペンションの調整の1つで、ライダーが乗った時にサスペンションが一番機能しやすい位置に調整するもの(スプリングのプリロード/予めどれだけスプリングを縮めておくか)。先の通りリンクサスはプログレッシヴな特性を持っているので、サスペンションが縮む位置によって特性が急激に変化していく。だからライダーが乗った状態で沈み過ぎたり、沈まなかったすると折角の高性能サスペンションが上手く機能しない。

一般的にはライダーが跨った状態でフルストロークの1/3沈むのが基準とされる。レーシングスタンドでリヤを浮かせた状態でリヤアクスルからどこか適当な基準点までの長さを測る。今回はシートレール下端を基準にして約600mm。XR600Rのスペックからリヤサスのトラベルは280mmとあるので、1/3だと93mm位。跨った状態で507mmになれば良いという事になる。独りで作業すると跨りながら数値を読まなきゃいけなくて難しい。完全に跨った状態だから足を着いちゃいけない。

 

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調整はリヤサスのスプリング上部に有るネジで行う。ネジを締めるとスプリングが押し縮められて跨った時に沈みにくくなる。緩めるとスプリングが緩んで沈みやすくなる。作業前はほとんど緩んだ状態で、僕が跨ると490mm位になる。前オーナーは小柄な人が乗っていたみたいで、僕には少し沈み過ぎ。僕の体格に合わせて締め込む。ギザギザのナットはフックレンチで回すのが基本だけど、狭くてレンチが回せないので仕方なく棒で叩く。

 

車高が上がって沈み込みも少なくなって、足付きは極めて悪くなる。両足爪先立ちで信号待ちでさえ気を遣う。代わりに走ればすこぶる良い感じ。これで思い切り走れる。

 

 今回の出費

サスペンションリンク(中古ヤフオク) 100円

送料 864円

計 1,064円