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目指すのはジャンガリアンな生き様

神々の山嶺(アニメーション)

 

 

 

映画『神々の山嶺』公式サイト

 

あらすじ

「登山家マロリーがエベレスト初登頂を成し遂げたかもしれない」といういまだ未解決の謎。その謎が解明されれば歴史が変わることになる。カメラマンの深町誠はネパールで、何年も前に消息を絶った孤高のクライマー・羽生丈二が、マロリーの遺品と思われるカメラを手に去っていく姿を目撃。深町は、羽生を見つけ出しマロリーの謎を突き止めようと、羽生の人生の軌跡を追い始める。やがて二人の運命は交差し、不可能とされる冬季エベレスト南西壁無酸素単独登頂に挑むこととなる。 

★★★★★

 

レビュー

神々の山嶺は原作小説読んだし、谷口ジローのコミックも読んだし、邦画の実写映画も観ているので今更感が有る。結末も分かっているのに今観る必要が有るのか。

と最初は躊躇い気味だったけど、実際に観て見るとこれは凄い。実写映画よりもリアルだ。人物はのっぺりしているけど過度にデフォルメされていないし、何より動きが凄い。バンの荷室で揺れるクライミングギヤ、滑落するシーン、確保無しに登る氷壁、派手さは無いけどどれもがリアルだ。滑落シーンは「あぁ実際落ちたらこんな感じだよな」と思えるし、アイスアックスとアイゼンのみで登る氷壁はワンミスが命取りになるヒリヒリとした緊張感が伝わってくる。動きも良いし、構図も良い。そしてなによりヒマラヤの山々が美しい。

これは凄い映画だ。描写が昭和だしかなり端折ってはいるけど、原作を、そして谷口ジローを忠実に再現している映画だ。主人公は日本人だし舞台も日本だけど、フランス映画なのも凄い。こういうアニメーションは日本では作れないんだろうな(興業的に)。