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BETA テクノ(1995) キャブレターセッティング その4解決と総額

 

 

 

 

エンジンを始動させると勝手にスロットル全開になる、というトラブルは解決したものの、今度はカブってアイドリングしない。どうもキャブセッティングが怪しいのでジェットを下げれるだけ下げたけど解決しない、というのが前回まで。

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アイドリングが高くて下げられない。プラグはベタベタ。何かがおかしいんだけど何が悪いのかが分からない。バイクの師匠Sさんに現状を話しながら相談してみた。相談しながら経緯をまとめると、

 

・一通り整備して始動はするがカブる。アクセルを開けながらじゃないと始動しないし、アクセルを開けていないとエンストする。

・ジェットを絞る。始動性は良くなった。アイドリングはするが回転が異様に高くて下げられない。

パイロットスクリューを目一杯締め込んでもアイドリングは下がらないしエンストもしない。始動性は悪くないしアイドリングもするがプラグはベタベタ。

 

という状況から、パイロット経路以外からガソリンを吸っているんじゃないか?とのこと。油面高さも影響するけど、そこまでの状態にはならない。他にガソリンが供給される経路はチョークしかないのは?と言う。

デロルトのキャブは知らないが、ミクニのその手のキャブのチョークはバルブが上下する機構になっていると言う。チョークがOFFの時はバルブが下がって経路を閉じガソリンを遮断し、チョークをONにするとバルブが持ち上げられて経路が開きガソリンが送られる、との事。そのバルブシール部分に不具合が有りガソリンが流れてしまうのではないか。

 

 

デロルトのキャブを見てみる。

 

んん・・・? 何か持ち上がってるね?

 

チョーク回路をバラす。バイクの師匠Sさんが言う様に、ミクニと同様チョークバルブが上下する事でガソリンをON/OFFする構造になってる。つまりこのバルブが下がった状態でなければいけない。バルブが上がっているという事はチョークが効きっ放しになってるという事だ。

 

補修したダクトをつけてキャブを戻す。チョークレバーが下がった状態は、チョークが効いている。今までこの状態でエンジンを掛けていた。

 

通常はチョークレバーが上がった状態(チョークOFF)。

 

散々すったもんだしたジェットはとりあえず

メインJ #88

スローJ #58

スターターJ #75

に戻した。

チョークを引くと1発で始動する。チョークを戻すとちゃんとアイドリングする。数回レーシングしてもちゃんと動く。自宅前を少し走った感じでは何とか走れそうな印象。煩くて近所では乗ってられないので、詳細はちゃんと走行出来る場所で確認するけど一応まともな状態になった様。

 

 

不調の原因はチョークが効きっ放しなだけだった。何ともマヌケな原因だった。こんな初歩的なミスを犯した要因は、

 

・当初2次エアーを吸っていたのでチョークが効いた状態でもアイドリングしていたので、チョークのON/OFFを勘違いした

・チョークの固定ネジが固着してナメそうだったので分解しなかった(構造を理解しなかった)

 

幾つかのトラブル要因が重なっていたので、紆余曲折してしまった。もう少し整理して理論的に解決すれば良かった。

バイクの師匠Sさんと相談しながら解決したのは非常に有効だった。1つ1つ事象と行った作業を説明していく事で整理され、また、「アレはどうだ?」「コレはどうだった?」と第三者の客観的な思考考察を聞けるのはとても参考になる。自分一人だとどうしても思い込みで失敗しがちになる。

 

 

 

とりあえずはやっと走れる状態にはなった。ただまだ細かい作業、ブレーキマスターの整備とかリヤサスの整備、タイヤの交換などが残っているけど、何とか形にはなったので一安心。車両を買ったは良いけど使い物にならなかったなんて事ではシャレにならない。

トライアルバイクは、競技などで本格的に使用した車両はダメージが酷いので敬遠した方が良いかと思っていたけど、逆かもしれない。本格的にやっているライダーなら少なくとも必要最低限の整備は行っているし、不具合の状況も把握していたり専門ショップや周りのライダーを通じてウィークポイントやノウハウなども知っているだろう。対してトライアルのホビーライダーは本格的には走らないので車両の外観にダメージは無くても「とりあえず走行出来れば良い」「とりあえずエンジンが掛かれば良い」という状態を良しとしてしまいかねない。まぁネットオークションの車両なのでどっちもどっちで当たり外れは有るだろうけど。

 

まともな状態にするのに4ヵ月も掛かってしまった。また、基本的な整備で良いだろうと思っていたけど、それなりに手間と金が掛かっている。車両代金と登録諸費用等を除いて掛かった費用は

 

エアクリーナーエレメントとフィルタオイル 5,730円

ミラー 1,040円

フォークシールとフォークオイル 5,068円

スパークプラグ 315円×2本 630円

ミッションオイルとクーラント 3,500円

ブレーキフルード他 1,197円

保安部品関係 9,097円

スロットルワイヤ他 4,400円

クランクシールと特殊工具 8,612円

オイルシール類 12,650円

インシュレータ他 9,560円

キャブASSY中古 7,642円

ジェット類 5,200円

 

総計 74,326円

 

なるべく抑えるつもりがそこそこ掛かってしまった。ジェット類やキャブASSYなど余計な物を購入したりはしているけど、これ以外にもまだこれからリヤブレーキマスターの整備などが掛かってくるし、作業は全て自力で工具も自作したり使える部材は在庫を駆使したりかなり頑張って抑えたと思う。

プレミア的な珍しい車両でも無いし、これがアタリの車両だったとは思えない。それでも入手した限りは整備してまともな状態にして乗りたいと思う。かつてワールドチャンピオンを取ったBETAの底力を見せて欲しい。何だかファンティックの二の舞(散々整備したけど面倒見切れずに処分した)になりそうな気がしなくも無いけど。

 

余談

ベータにかかりっきりになっている間にXR600Rの車検が切れた・・・。車検代を捻出するか、ベータのタイヤを買うか・・・。何とか安上がりになるよう努めてきたけど、こうしてみるとバイクは金が掛かるなぁ。

 

 

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