シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 ギリギリ




最近山登りに呆けてばかりなんだけど、周りと僕との思いに少しばかりギャップを感じる。今は登山ブームらしく、山登りをする人は多い。会社でも山登りする友人は居る。そして大抵の人は、「のんびり景色を見ながら歩くのが好き」とか、「頂上まで登った達成感」などを目的としてる。僕も確かにそうなんだけど、根本的にもっと違う欲求が有る。「ギリギリ」だ。自分の限界を感じるギリギリ。
そういう事を言うと危ない遭難予備軍と思われそうで口にするのがはばかられるんだけど、自暴自棄になっている訳じゃないし、「別に遭難しても良いや」なんて思ってる訳でもない。逆に、遭難しない様に細心の注意を払ってる。ほとんどがソロ(単独)だから誰も助けてくれないし、忠告もしてくれない。必ず自分で帰ってこなければいけないし、自分で判断し、注意しなきゃいけない。
それで、何でそんなにギリギリのラインを見たくなるんだろう?って考えてたら、あぁこれってバイクと良く似てるんだって思った。ギリギリのライディング。ギリギリのコーナーリング。そういうものを突き詰めたくなった時が有った。だけど、それを一般公道でやるのは非常に危険だった。エンデューロレースはギリギリを感じるにはとても良かったけど、バイクを維持し続けるためにはかなりの時間とお金を要する。そして、他人を巻き込む危険性は低いけど、自分が怪我をする危険性はかなり高い。単純に気合や勢いだけでは自滅するというのも似ている。
だから、特別山登りだけが危険な訳じゃないんだ。逆に、比較的簡単に安価に自分の限界を感じる事が出来るのかもしれない。しかも割りと楽しく気持ち良く。繰り返すけど、危ない事がしたい訳じゃない。限界を超える=遭難という訳でもない。冷静に考えられたなら、これ以上進んではいけないという事は自分で分かる。


ギリギリが見てみたい。行けるか行けないかのギリギリのライン。自分がどれ程のものなのか。そのラインに立てた時、この上ない充実感が有るから。