シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 体制

最近TVで生キャラメルを扱う番組を良く見るんだけど、あぁ、生キャラメル食べてみたい。やっぱ生は良いよね。生は違うよね。なんて事を思いつつも、キャラメルそのものよりも、その生産体制に感心してしまいましたよ。あれは1つの理想的な形じゃないのかなぁって。
と言うのも、生産の工程のほとんど全てが手作業なんですね。唯一包み紙に包む作業は機械化されてましたが、生キャラメルを作るのも、箱詰めするのも手作業です。あれだけ人を使えばそりゃ値段も高くなりますよ。だけど、「それでヨシ」とする経営者と、「それでも欲しい」という消費者がちゃんとかみ合ってます。
工場の生産に携わる者から見ると、今までの生産体制とは明らかに逆行しています。いかにコストを下げるか、いかに生産効率を上げるかが求められ、その為に優先するのは機械化や省力化で、機械で出来る事は機械にやらせよう、機械で出来ない事もなんとか機械にやらせようという考え方だったと思います。一番金が掛かる人件費を削減しましょう、それで製品の価格を下げましょう。という考え方。生キャラメルにしても、機械化、自動化すればもっと効率良く大量に安価に、しかも安定した品質の製品が作れるはずです。手作業で行うからにはコストも高くなるし、品質のバラつきや不良品を出す確率も高くなりますよね。単純に利益を追求するなら、取るべきじゃない体制だと思います。
ただ、それでも手作業にこだわる所が凄いなぁって思うのです。大変な作業でしょうが、北海道であれだけの雇用をまかなう事を考えると、仕事が有って良かったって思う人は少なくないはずです。また、有名な製品を作っているというやりがいもあるでしょうね。これは生キャラメルに限った事じゃなくて、人が関わる事にもっと敬意を払っても良いんじゃないかと思います。物を作るという事だけじゃなくて、サービスにしても情報にしても、ちゃんと価値を認める、それに対してちゃんと対価を支払うという事。もちろん、対価に見合うだけの質がなければならないし、それを維持向上させる為には日々努力や試行錯誤も必要だろうし、そういう労力を惜しむ場合は買い叩かれても仕方が無いですけどね。
かといって生活に関わる全ての物が高額になってしまうと大変な事になっちゃうんだけど、大量生産大量消費が破綻しちゃった今、むりやり車を買わせようって考える前に何か見習うものがあるんじゃないかなぁって思うんだけど。とりあえず生キャラメル一度食べてみたい。