シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

HONDA XR600R タペット調整

 

 

先日イグニッションコイルを交換してみたものの、始動性は良くならなかった。

singlesmile.hatenadiary.jp

 

というか、プスりとも言わない。気温が低いと始動性が悪くなるのは分かっていたので穏やかな休日の午後に掛けてみたのに、掛からない。エンジンが掛からなくても、「掛かりそうだけど掛からない」のか、「全く掛かる気配がない」のかはキックしていると分かる。先日は全く掛かる気配が無かった。さすがにこれは異常じゃないのか。25000kmほど走っているし、かなり古い車両だから一度エンジン内部も整備しなきゃいけないかなぁ。

と考えてる時に、そういえばもう1つやる事が有った。タペット調整だ。僕が車両を入手してからタペット調整はしていない。前回いつ行われたのか分からないので、一度やっておくべきだろう。タペット調整なら簡単に出来るので確認してみる。

 

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XRのバルブ周りは構造が面白い。ロッカーアームが2重になってる。タペットというのは画像のネジの部分。吸気と排気バルブを押し下げる(開く)部分。

 

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エンジン左側クランクカバーのキャップ2ヶ所を外し、クランクのタイミングマーク(T)を見ながら圧縮上死点に合わせてタペットのクリアランスを調整する。

吸気側 0.10mm

排気側 0.12mm

ただし、右排気バルブはオートデコンプの機能が備わっているので、調整しようとしてもクリアランスが無い。デコンプする為に右排気バルブを開いているからだ。サービスマニュアルを読むと、「デコンプで右排気バルブを押しているから、再度反時計回りにTマークに合わせろ」と書いてある。どうやら「Tマーク(圧縮上死点)に合わせる。一旦クランクを時計間回り90°程戻す。再度Tマークに合わせる。」という手順の様。オートデコンプが無いモデル(1988年式辺りより以前)ならTマークを合わせるだけで良い。

 

確認すると全体的にクリアランスは規定値より若干広めだった。規定値を狙って調整する。ロックナットを締めるだけでもクリアランスは変化する。クリアランスが広過ぎるとバルブの開き量(バルブリフト)が減るのと打撃音が発生する。クリアランスが狭過ぎるとバルブ閉の時もバルブを押してしまう。エンジンの熱で部品が膨張する事も考慮して数値が決められている。だから排気側はクリアランスが広く設定されている。XRのエンジンは作業しやすい位置だし、作業窓も大きめなので比較的調整しやすい。

 

調整後始動テストするとキック5回位で掛かった。ただ、掛かったのはタペット調整のせいではなく単に気温が高いせいの様な気がする。一度掛かると、一旦停めても始動性は良い。キック1発で掛かる。少し試運転してみたけど、調子は良さそうだ。この感じだと明らかに性能低下する程の消耗はしていない様に思えるけど、一度バルブ周りとピストンリング位は整備しておいた方が良さそうな気はする。