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スノーピーク ステンレス真空ボトル T350

 

 

 

スノーピークの真空保温ボトルを買った。T350というモデル。

定価は8,844円(税込)。パッケージにダメージ有りの未使用品をネットフリマで5千円で購入した。カラーはレッドクレイ。レッドと言いながらオレンジ色。

 

大胆にくびれた形状が特徴的。個人的には下部がもっと丸みを帯びた形状だったら尚良かったと思う。持ちやすいデザインではあるけどメリットとしてはそれだけ。綺麗なカラーだけどネット上のレビューでは使っている内にロゴが消えたとか、表面塗装が欠けたとか、耐久性はさほど高くなさそうだ。

ならば純正の保温・保護カバーを売れば良いのに、と思う。スノーピークならカバーだけで5~6千円くらいしそうだけど。

 

キャップにもロゴ付き。ボディのロゴが消えてもかろうじてスノーピークである事をアピール出来る。

 

開閉の節度は悪くない。パッキンも1個だけで構造も簡素なので洗いやすく、メンテナンス性も悪くない。

 

見た通り開口部は大きめ。コーヒーや紅茶の様な香りを楽しむ飲み物には適している。その反面、開口部は最も熱が逃げやすい部分なので保温性は劣る。飲み口は鋭利な形状ではなく先細りのテーパー形状になっている。飲みやすさの為だろうか。

開口部が大きいので内部を洗いやすいし、氷を入れたりティーパックを取出したりするのも楽。

 

底面。ラバークッションやプロテクタ等はついていない普通の底。末広がり形状なので置いた時に安定する。

 

保温性能が表記されているのは良心的。ネットでは測定開始時の温度の記載が無いけど、パッケージと取扱説明書には記載されていた。

室温20℃で95℃のお湯を入れて6時間後の温度が66℃以上。

同じく4℃の水を入れて6時間後の温度が8℃以下。

保温はそれ程でも無いけど、保冷はこの形状にしては頑張っている。

 

他の製品との比較。左からベストコ、象印のSX-JA30、サーモスのJNO-350、スノーピークT350。高さは抑えられているけどやや太めの形状。安定感は有る。

 

サイズ感比較。500lmのペットボトルと、普通の紙コップとの比較。デザイン性は高いけど底の径が大き過ぎて車のドリンクホルダーには収まらない。



買っておいて言うのもなんだけど、正直他人にはお勧めしない。定価が8,800円、実売でも6,000円以上はする。それに対してデザイン以外にメリットが無い。例えばモンベルアルパインサーモなら4,180円で半額以下。モンベルアルパインサーモ・チタン製(7,370円)よりも高い。しかも性能は良くない。

モンベル以外の製品、例えばサーモスとかタイガーとかメジャーな保温ボトルメーカーに対してどうかというと、やっぱりデザイン以外に見る所は無い。他社の同等品なら半額以下で買えるので「スノーピークの製品が欲しい」「スノーピークのT350が欲しい」という人以外にはお勧めできない。

 

それはもう狙っているターゲット層が違うんだろう。スノーピークはデザイン性に優れたアウトドアブランドというイメージだし、モンベルはfunction is beautyというコンセプトをうたっている事からも機能性を重視しているのが分かる。デザインは譲れないスノーピークと、機能は譲れないモンベル。同じ物になるはずが無い。サーモスにしても真空保温ボトルの性能を突き詰めようとしたらどうしたって円筒形にせざるを得ないし、機能的でもないのにくびれ加工などしたらコストが嵩むだけだ。高価なのに機能的でもないデザインが出来るのはスノーピークの強みだろう。逆に、モンベルアルパインサーモやサーモスの山専(どちらも保温性能に特化したモデル)はいくら性能が良くても購買意欲をそそられないデザインだ。

そんな真空保温ボトルとしてはコスパ最悪なスノーピークをまた何で買ったのかというと、格好良かったからだ。カッコ可愛い。先日アウトドアショップの改装セールで割引されているのを見掛けて良いデザインだなぁと思ったものの、割引されていても4,5千円もする。しかも既に同様のボトルを何個も持っている。普通に考えたら買うべきじゃない。そう思って諦めていたんだけど、やっぱりあのデザインは良い。我慢出来なくなった。

デザインを優先させたの代わりに、性能や使い勝手やコスパは劣る。機能に貢献しないくびれを加工する為に価格は上がり、保温性能は下がり、あの形状の為に携帯性も悪いしドリンクホルダーにも入らない。塗装が強くてヘビーデューティーな訳でも無い。そして「デザインが良い」という理由だけで買うには高過ぎる。普通の販売価格なら僕は買わない。

ただ、あの大胆なくびれ加工にも関わらず、外壁と内壁のクリアランスはかなり狭い(ボディが薄い)。これだけ複雑な加工をしながら薄く仕上げるのはなかなかの加工技術じゃないかと思う。そういう加工フェチには向いているかもしれない。

それにT350は元々が保温性能を重視したモデルではない。登山で熱いカップ麺やフリーズドライを食べるのが目的ではなく、マグカップ代わりの様な使い方を想定しているんだろう。そういう使い方なら多少冷めたりぬるくなったりしても、比較的短時間で飲み切ってしまうから影響は少なく不満も出ない。なので比べるなら象印のステンレス保温タンブラーだろう。象印も保温性能は悪かったので良い勝負じゃないかと思う。価格では圧倒的に象印だけど。象印も良かったけど子供が使いたいというので譲っている。実際に使ってみると、気になる程の温度低下は無かった。象印のタンブラーよりは保温性が良い。6時間後でも充分温かいし、3時間程度では熱過ぎて飲めない。熱湯を必要とする使い方でなければ普段使い程度なら充分な保温性能だと思う。

スノーピークT350はただデザインが気に入っただけで買った物だけど、トータルで一番良いと思うのはタイガーの製品だと思う。ただ、タイガーもサーモスも基本円筒形のベーシックなデザインの製品しか無いので、もっとふざけたデザインの製品を出して来たら死角が無くなるのに、とは思う。

 

お気に入りのボトルにコーヒーでも入れて一服すれば気分も上がる。無駄な物事に金を掛けられるのは幸せというもの。