シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 尊敬

職場の後輩君、ウチの職場に配属されて多分3年になろうかという頃だけれど、いまだに一人前の仕事が出来ません。それは僕らの仕事が決まった作業、決まった手順ではない事と、あまりに広範囲過ぎて覚えきれないという事もあるのだけれど、もう1つ彼は気が利かないという事もあるのです。彼は悪い人ではないし、やる気が無い訳でもないし、いちいち反抗したりする事もありません。ただ、言わないと動かないのです。言えば動きます。でも、その都度指示したり、以前も言った事を繰り返したりするのも苦痛なのです。それでイラつくくらいなら1人の方がまだ気楽で良いやと皆敬遠してしまい、結果彼は経験を積む機会を逃してしまっているのです。技術系の人は社交性や協調性に乏しい場合が多くて人を育てるのが下手だというのも不利な点です。
それが分かっていながら、僕もつい敬遠してしまいがちです。悪気が有るわけじゃないってのは分かっているのです。だけどついイラついてしまうのは、多分僕と彼は似ているからなのでしょう。彼を見ていると自分のネガティブな面を見せ付けられるようで不愉快になるのです。彼が悪い訳じゃなく、自分が至らないのにも関わらず。気が利かず、指示されないと動かなくて、口数が少なくて、誰にでも愛想は良いけど誰とも打ち解けず、僕は昔から人を引っ張っていく様なタイプじゃなくて、陰で支えるタイプと言えば聞こえは良いけど、単に影の薄い人間でした。
それは今でも根本的には変っていません。人はそれ程簡単に変れるものじゃありません。だけど、僕は奥さんに散々言われてきたお陰で、その都度自分がいかに気が利かない人間だったか思い知らされました。気が利かない人は、自分が気が利かない人間だということすら自分では理解できないのです。ズバズバと率直に指摘してくれる人が必要なのです。だから、奥さんがもっと大人しい何も文句を言わない様な人だったなら、僕は今でも気が利かない使えない人間だったかもしれません。今が使える人間なのかはさて置き。
友達が出来ないとか、ブログが読まれないとか、メールが来ないとか、理不尽だと思う事の原因は実は自分自身に有るのかもしれません。気が利く人間、出来る人間にならなければいけない訳じゃないし、別にいい加減な人間でも生きていける世の中だし、あまりにストイックになるのも不健康ですが、でも気が利かないよりは気が利いた方が良いでしょ。少なくとも自分の至らなさを自覚するだけでも意味の有る事だと思うのです。
だから、本当は僕が彼にズバズバと率直にネガな事もどんどん言うべきなのでしょう。ほんと彼の為にも自分の為にも言うべき事は言わなきゃいけないんだけどね。だけど、そういう事って言いにくいんだよね。だから誰にでもズバズバと意見を言える人は尊敬してしまいます。