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目指すのはジャンガリアンな生き様

50代の転職活動 内定頂きました

 

 

昨年から本格的に転職活動をしてきた。

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昨年の記事で書いた通り、簡単にはいかなかった。なかなか思う様にいかなくて、そんな折に転職した記事を読んで身につまされる思い。立場は違えど心構えは参考になる。そうか、僕はまだアクションが足りなかったんだ。ボヤく前にもっと行動しなきゃいけいない。

hase0831.hatenablog.jp

子持ちの40代主婦が転職するのが難しいというのは想像に難くないけど、50代の転職も難しい。相当難しい。一口に転職といっても、性別や年齢、学歴や取得している資格、技能で全然違ってくるので他人の転職状況などアテにはならないんだけど、この歳で実際に転職活動して思った事を書いてみようと思う。

 

何故転職するのか

僕の場合は、勤め先が倒産したとか、解雇されたとか、パワハラが耐えられないとか、やむを得ない事情が有る訳じゃない。一応それなりの給料をもらい、それなりのポジションを与えられている。ただ、取り巻く環境は劣悪になり、責任とプレッシャーは大きくなるのにモチベーションは下がる一方だし、この先10年この状況に耐えられるか?といえばとても耐えられない。現状を放り出すのは逃げかもしれない。でも、現状に甘んじて現状維持で保守的にやり過ごすのもまた逃げじゃないかと思う。ストイックになるつもりはないけど、チャンスがあるなら生かした方が良いだろう。

 

転職先の業種と職種

同業種の同業務であれば今までの経験を生かせるけど、どうせなら興味が持てる仕事をしたい。しかし「未経験でもOK」なのはとても若い人限定で、ある程度の収入を得ようと思うと完全な未経験では無理だ。なので、業務内容は似通っているけど業種は異なる企業を選定していた。例えば送電線鉄塔の保守業務とか、風力発電設備の維持管理とか。仕事内容はとても面白そうだけど、いずれも就く事は出来なかった。

希望年収は多いに越した事は無いけど、ある程度以上の金額になると相応の能力が要求される。具体的にはマネジメントやエンジニアリングなどの取り纏め役だったり、特殊な資格や技能だったりする。そういう能力も無いのに高望みするのは無謀なので、自分の能力と希望する年収のバランスを考える。

ハローワーク、転職サイト、転職エージェント

どれも利用した。最終的には転職エージェント経由で内定を頂いた。ハローワークや転職サイトは敷居が低い(求人対象が広い)印象だけど、かといってハードルが低い訳じゃない。それらば間口が広い分様々な人が応募してくるので、その中で際立って目立つ必要が有る。そんな能力があるなら転職エージェントを利用した方がマシだろう。

転職エージェントはエージェントで応募者が選別されるから、能力が高い人は有利だけどそうでもない人には難しい。ハローワーク、転職サイト経由で面接まで行けた企業は皆無で、転職エージェント経由で実際に面接まで行けたのは内定をもらった企業の他に1社だけだった(1次面接で不採用)。

エージェントに登録していると、企業スカウト(求人先の企業の採用担当者からのオファー)やエージェントの推薦などが来るけど、それも上手く行って1次面接が保証される、というだけで実際に2次面接、採用まで行くのは簡単ではない。そもそも全く違う職種からオファーが来たりする。よく来たのはシステムエンジニア職。僕はメカ的なエンジニアなので全く畑違いなんだけど、同じ「エンジニア」だから結構オファーが来てた。しかも募集要項は実務経験3年以上とか。いや、そんなん出来んがな。職務経歴書などいちいち読んでない様だ。そんな程度なので、こちらも気軽に応募すれば良い。

 

やった事

気になる求人は片っ端から応募した。当初は給料が微妙とか、勤務地が遠いとか、こんな仕事出来るかなぁとか、懸念事項が有る企業に対しては躊躇っていたけど、先の転職記事でも多少でも気になる求人はどんどん応募した、とあるし、転職サイトにも「気にる求人はどんどん応募しろ」と書いてある。転職サイトや転職エージェントだと履歴書などの必要な書類はデータ化されているので、応募するのはクリックするだけで良い。「どんどん応募しろ」という理由はすぐ分かる。そもそもが書類選考が通らないから、いくら応募したところで面接日が重複したり内定が重複したりする様な心配は一切無い。もしうっかり重複してしまう様なら、貴方は素晴らしい人材なので何の心配も要らない。もし仮に上手く行って面接出来て、でも不採用になったとしても、いろんな企業のいろんな人と会っておくのはムダじゃない。面接は当然自分を値踏みされる場ではあるけど、逆に自分が企業側を値踏みする場でもある。優良な企業は組織が健全に機能しているし、そういう所では対応する人もまたしっかりとしている。僕は営業職ではないから、いろんな会社は見ておくべきだと思った。もし内定をもらっても条件が折り合わなければ辞退すれば良い。

片っ端から応募したところで、そうそう面接まで行けない。全く行けない。そんな折、ちょっと面白そうな業種だな、という企業に応募したらすぐに返事が来て面接してもらえる事になった。レスポンスは大事だ。自分がする返信もそうだけど、相手先企業の返信速度も評価点になる。レスポンスが速い企業はちゃんと動いていて意思決定が速いという事だ。そういう会社は、多分良い。

今までの苦労は何だったんだろう?というくらいに面接の日程がトントン拍子に決まり、実際に面接を受けてみて、「なんだか良いな。ここで働きたいな。」と思えた。初めての対面での面接だったから、まぁ不採用でも良い経験になるかな程度の心づもりだったけど、実際に行ってみると気負わずに話せる雰囲気だったし、そういう印象って働く上で大事なんじゃないかと思った。僕に対しても高く評価してくれて前向きに採用したいという言葉も頂いて、あぁちゃんと評価してくれる所も有るんだなぁとしみじみした。

転職って運というか縁なのかもしれないと思った。

 

自分を客観視できるか

職場の非常に有能な同僚が退職する際に、「転職先はどうやって探したの?」って尋ねたら「エージェントに丸投げですよ」って言っていた。エージェントに丸投げで簡単に転職出来るのは、高学歴で相当なスキルや資格、経歴を持っている人材のみだ。僕の場合は技術職の経歴は長いけど、客観的に普遍的に評価される技能や資格が無い。知っている人なら、「あぁ、あの人は仕事出来るよ」って言ってくれるかもしれないけど、データしか見れない転職エージェントではアピール出来る要素が無い。周りで転職していった人たちも「知人の紹介で」というケースが多かった。

一般的に、人は自分の能力を高めに見積もる傾向にある。閉鎖的な工場勤務、しかもさらに閉鎖的な技術職なら尚更その傾向が強くなりがちだ。他の社員では出来ない専門的な業務を行うからちやほやされがちで頼りになる印象を受けるからだけど、実際はそこでしか役に立たない知識や経験だったりする。「ことけけさんなら、何処でも通用しますよ。」なんて周りから言われても、真に受けちゃいけない。そんなのは客観的な評価ではない。協力会社の仕事ぶりと自分の仕事ぶりを比較したりもするけど、自分の能力を自分で客観視するのは難しい。職場の非常に有能な同僚は一流企業からの転職で入社してきた人なので様々な企業の様々な人たちを見てきている。だから、彼に「客観的に僕の能力ってどう思う?他社でも通用すると思う?」って尋ねてみた。「マネジメントやエンジニアリング向きではないけど、現場の突発故障をとりあえず動かす様なやっつけ作業は向いてますよね。だからそういう職種ならいけるんじゃないですか。」と言われた。誰がどうやって評価したって、結局は評価者の主観でしかない。でも、まぁこの人の意見なら参考になる、という人は居る。転職の件に限らず、彼には色々教えられた。一緒に仕事が出来て良かった。

 

今回内定が貰えたのは本当に運が良かったと思う。この1社以外は箸にも棒にも掛からなかった。でも、この1社の内定は運だけではなく、今までの僕の仕事の結果でもあると思いたい。中小企業の年功序列とはいえ管理職としてマネジメントを行い、設備メーカーや協力会社との調整を行い、毎日バタバタしてきた。とても小さな部署の肩書だけの管理職だったけどそれなりに経験させてもらった事は決して無駄ではなかったし、傍から見れば多少はアピールポイントになるかもしれない。

 

これから

転職したからといって楽になる訳じゃない。何処で何をしたって、働くという事は大変な事だ。変化が激しい世の中だから、今の会社の業績が劇的に向上して労働環境が改善される可能性も有るし、転職先の業績が悪化して今よりもっと劣悪な環境になる可能性だってある。何が正しいのかなんて僕には分からない。ただ、何もせずに10年過ごすのと、新しいものに目を向けて10年過ごすのとでは、その後の自分の有り方が全く違ってくると思う。現職のまま新しい事に取り組む、という事も出来るので転職うんぬんではなく、結局は自分の行動次第なんだろうけど。

ただ、新しい仕事がちょっと楽しみなんだ。仕事が楽しみだなんて感覚は久しぶりだ。良い方向に進みます様に。

 

 

参考

転職エージェントの報酬について

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