ペダルに力を入れて踏み込むと、コキ、コキ、と周期的に音がする。ペダルなのかBB(ボトムブラケット/ペダルの軸受け部分)なのか、それともチェーンリング(フロントスプロケット)なのか。ホイールのハブベアリングは先日確認したので、気になっていたBBを整備してみる。
整備するに当たり、下記のサイトで分解手順を参考にさせてもらった。実は先週一度作業したものの、分解出来ずに頓挫した。サイトの記事と全く同じ内容で躓いている。これは分からん。
BB30という規格のBBに、FSAのSL-Kというカーボン製クランクが付いている。このクランクが厄介で、手順が分からないとバラせない。
手順が分かっていれば超簡単。左クランクのセンターに有る六角穴(10mm)にレンチを入れて緩めるだけ。だけど、一旦緩んだ後に、また硬くて動かなくなる。これが、構造が分かっていないと、これ以上は緩められないと思ってしまう。実際にはセンターのボルトはクランクを固定する役目と共に、左クランクを押し抜く為の押ボルトの役目も担っている。なので、気にせず思い切り緩めてしまえばいい。ボルト周りの小さな穴が空いているキャップは逆ネジだけど、作業するセンターのボルトは正ネジなので、緩める時は半時計回りに回す。
センターのボルトを緩めるとクランクが外れる。クランクとフレームの間にはウェーブワッシャが入っているので無くさない様に。
チェーンを外してクランク軸をプラハンでコンコン叩くと軸が抜ける。
シールの奥に、シールタイプのボールベアリングが入ってる。ベアリングの奥にフレームのカーボン地が見えてワクワクする。
シールベアリングは分解するとシールを傷めそうで触りたくないんだけど、確認の為シールを外す。樹脂製のリテーナー(ボール保持器)が入ってるので、それも外す。
シールベアリングだし、損傷したりグリス切れしている様子は無い。人間の脚力を受けるだけなので、バイクや工業用に比べると随分と可愛らしいベアリング。グリスアップして戻す。
右側のベアリングはリテーナーが奥側から挿入されていて取り外せない。やむなくリテーナーはそのままでグリスアップ。
で、どうやってクランクを戻すのかというと、取り外す時に使ったセンターのボルトを今度は締め込んでいくだけ。なかなか優れた作業性。シマノ製に比べると劣るのかもしれないけど、軽いし、なんせカーボン柄が美しい。
センターボルトの周りのキャップは外す必要はなかった。最初作業した時に分解手順が分からなくて外してしまったけど、クランクを押し抜く時の支えになるだけなので触らなくて良い。キャップが逆ネジなのは、センターボルトを緩める時に供回りしてしまわない様にか。センターボルトとキャップ間には薄いワッシャが入っていて、直接当たってかじったりしない様に考慮されてる。なかなか凝ってる。
作業後にローラー台で漕いでみたけど音は出なかった。解消したのか、もっと負荷を掛けないと出ないのかは乗ってみないと分からない。
ヒルクライムなどで力を入れて漕ぐ時にしか音が出ないので、パワーを出してるのかサボってるのかが客観的に分かって面白かったんだけど、流石にヒルクライムの間ずっとコキコキ音が出ているのはちょっと恥ずかしい。これで直れば良いけど。