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目指すのはジャンガリアンな生き様

HONDA XR600R ダイレクトイグニッション

 

 

先日キャブレターの掃除をしてから始動性が良くなった気がするんだけど、元々気温が高い時は掛りが良かったのでキャブレター整備の影響なのかイマイチ良く分からない。ただ、ヒートした状態でも掛りが良かったので悪くはなさそう。

点火系に関する思い当たる整備はほとんどやり尽くした。スパークプラグの火花に影響する所は、

・発電コイル(エキサイタコイル/火花を飛ばす為の電気を発電する)

・CDI(火花を飛ばす為の制御をする)

・ピックアップコイル(火花を飛ばすタイミングを取る)

イグニッションコイル(火花を飛ばす為の高電圧を作る)

・プラグコード(プラグへ高電圧を送る)

・プラグキャップ(プラグへ高電圧を送る)

・スパークプラグ(火花を飛ばす)

になるけど、これらは全て新品に交換してみた。でも火花が弱い。あと考えられるのはフライホイールだけ。フライホイールも組付けに失敗したり、突起部分が欠損したりしてトラブルになるケースもみられるけど、そうそう壊れる様な物でもなさそうだし、高いし、整備大変だし。フライホイールがダメだという確信が持てれば整備するけど、今の所はフライホイールでは無さそう。もうやれる事はやり尽くしたんだけど、もう1つ、ダイレクトイグニッションに交換してみる。

ダイレクトイグニッションというのは、従来のイグニッションコイルとプラグキャップを一体化させた物。最近の車やバイクは大体ダイレクトイグニッションになっている。利点は高電圧を送る為のプラグコードが不要になる事。高電圧だから漏電などでトラブルを起こしやすい。イグニッションコイルからダイレクトにスパークプラグに送電出来るのでロスが少ない。とはいえ、今も1万円掛けて強化イグニッションコイルを付けているので、どれだけ効果が望めるのかも不透明だ。正直あんまり期待も出来ないけど、単気筒600ccのキックはしんどいので少しでも改善されるならやってみようかと思う。

 

twrproducts.co

購入したのはTWRというショップが販売しているXR600R用。実際に車両テストしていると書かれているので、得体のしれない製品よりは信頼出来そう。

 

送料込みで1万円くらい。イグニッションコイルの配線と入れ替えるだけ。単気筒なので1個で済むのは経済的。

 

「効果が体感出来ました」と言われても感覚での判断では信憑性に欠けるので、スパークテスターを使って違いを見てみる。スパークテスターはスパークプラグの代わりに取付けて火花を確認する物。プラグギャップがネジで可変出来るので、どの位ギャップを広げても火花が飛ぶのか確認する事が出来る。Amazonでも安く売っているんだけど、あんまり安くても信頼性に欠けると思ってアストロプロダクツの製品を買ってみた。が、ギャップを可変させるネジ部にガタが有って精度が良くない。これならAmazonでも良かった。

 

 

youtu.beウオタニの強化イグニッションコイルのスパーク状況。夜なら火花が飛ぶのが見える。

 

とりあえず現状で火花が飛ぶプラグギャップの限界値を測定する。ギャップを測る目盛りが無いので調整ネジのクリアランスを測る。ウオタニの強化イグニッションコイルだと最大ギャップは6.2mm。ギャップ0の時にこの調整ネジ部の隙間が約3mmなので、実際のギャップは約3.2mmになる。

 

youtu.be次にダイレクトイグニッションでのスパーク状況。心なしかしっかり飛んでる様な気がするけど見た目にはあんまり変わらない。

 

ダイレクトイグニッションだと最大ギャップが9.1mmまで拡大した。実際のギャップは-3mmで約6.1mm。強化イグニッションと比べて3mmほど拡大している。ほぼ倍。ダイレクトイグニッションって効果有るんだ。


本来なら、純正コイルでのスパーク状態、武川の強化イグニッションでのスパーク状態をそれぞれ確認して比較したかったんだけど、夜なのに蒸し暑くて汗だくになってしまったので中止した。涼しくなったらそのうちやるかも。

あと、購入したダイレクトイグニッションにメーカーと番号が書いて有ったので検索してみたら某車両の純正部品だった。サイトでは製作品と書かれているけど、ほぼ純正部品そのままの様。商売の邪魔をするのも何なので詳細は書かないけど、部品で買えば半額くらいで済んだ様。まぁ勉強になったのと、効果は有りそうなので悪くはない。

 

追記

充分な効果が認められそうなダイレクトイグニッションだけど、行きつけの車屋さんの話では熱の影響で壊れる事があるらしい(バイクに限らず車でも)。今回使ったコイルは恐らくバイク用の純正部品なので耐久性についても充分検証された物だとは思うけど、XR600Rの排熱はえげつない上にプラグはシリンダーヘッドに囲まれた状態なので熱的にかなり厳しい条件と思われる。イグニッションコイルが壊れたら即走行不能になるので、山奥の林道でコイルが壊れたら悲惨な目に遭う。高速道路でいきなりストールというのも恐ろしい。予備を持つにしても交換するにはタンクを外す必要が有るので、相応の工具も必要になる。現状に大して不満が無いのであれば、リスクを冒してまでダイレクトイグニッションにする必要があるのかは考え所。

 

追記

走行中のフィールは力強さを感じるというか、加速感というか、改善された感じがする。ただしイグニッションコイルを交換してから試走するまでにかなり間が空いてしまったので客観的ではない。

あと、始動性は変わらなかった。気温が低いと(といっても外気温1桁というほどでもない)全く掛かる気配が無い。暖かいと掛かるし、一度掛かってしまえば再始動は容易だけど、なんせ寒いと全く掛からない。スパークはしているので、あとは燃調不良としか思えないけど、走行中のフィールはアイドリングも含めて違和感を感じないので本当に何が悪いのかが分からない。

 

参考

XR650Rの火花を確認する事が出来た(始動性は悪くない標準状態の車両)。明るい場所だとかろうじて火花が見える程度なので、僕のXR600Rも点火系に関してはこれが正常と思われる。少なくともダイレクトイグニッションでプラグギャップ6mmで火花が飛ぶなら充分だろう。同じXR600Rで確認出来れば良いけど、周りで乗っている人が居ないので確認が出来ない。

youtube.com

 

 

 

今回の出費

ダイレクトイグニッション 9,500円+送料750円

イグニッションスパークテスター 1,628円

計 11,878円

 

 

今までの経緯、XR600R関連の記事はこちら

singlesmile.hatenadiary.jp