シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 育てる








柵に掴まりながらふらふらと一輪車に乗る練習をしながら、子供が初めて自転車に乗る時もこんな感じだったんだろうな、と思った。おっかなくて不安で全然出来る気がしなくて。子供が乗る自転車は小さくて、後ろから支えながら練習をさせるのはしんどかったって事くらいしか覚えていないんだけど、僕は子供が上手く乗れないからと苛立ったり、上から目線で教えたりはしていないと思う。それは自転車の練習に限らず、出来る事が当たり前とは思わないし、子供と同じ目線で物事を見て、一緒に考えられたら良いと思う。子供が大きくなった今でも、対象となる物事は変わっても、そう思ってる。
今日会社に行くと、現場の若い子が病欠だと聞いた。精神的に参って長期休養の診断書を出したとか。その子は僕の部下ではないんだけど、僕が現場に出る時は話したり設備の相談に乗ったりしていて、つい先日も特定の上司からのパワハラまがいな言動に参っているという話を聞いた。仕事を辞めたいと。だから診断書を出したと聞いても驚きはしなかったけど、長期休養を申請するって事は次の仕事を探す為かもしれないなと思った。
僕は現場の若い子の話しか聞いていないので客観的な判断は出来ないんだけど、ただ、人を育てる事って育児みたいだなと最近よく思う。何が良くて、何が悪くて、どうやってそれを気付かせて納得させて自分のモノにさせるか。一方的に高圧的に言っても、その場はしのげるかもしれない。でもそれは上司を恐れているだけで、その人個人のスキルは上がらない。怒られるから、アイデアや工夫も提言しない。ただ怒られない様に言われた事を言われた様にこなすだけ。
キツく言った方が伸びる人も居るだろうし、やんわりと忠告して褒めて伸ばした方が良い人も居る。ただ「そうだね」って何でも言う事を聞く事が優しさではないし、全てこちらの意見を押し付ければ良いというものでもない。そこに正解は無くて、それはほんとに子供を育てるみたいだ。まぁ、僕には元々怒鳴ったりド突いたりする様な事は出来ないし、叱る、褒めるのメリハリが上手く出来なくて指導や教育は向いてないんだけど。
周りの人に育てられてきたんだと、今なら分かる。若い彼はどうするんだろう。人を育てるって難しい。