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タイヤ交換手順

 

 

 

友達から「トルクレンチを買いたいが良く分からない」という相談を受けた。タイヤ交換時のナットの締付に使いたいとの事。適当な製品を見繕ったんだけど、そもそもがタイヤ交換作業自体が怪しい。口頭で説明しても分からないと思うし、実際に作業を見せても次の交換の時期には忘れてしまいそうなので、手順をまとめる事にした。ただし、僕はプロのメカニックではないので、この手順に従えば確実であるとは限らない。確証が欲しければショップに依頼して欲しい。

 

 

以下交換手順

平坦な所へ停める。サイドブレーキを必ずかける。ジャッキを車体下のジャッキアプポイントへ掛ける。ジャッキが車体に当たってから(手応えを感じてから)5~6回ほど回して上げる。

 

ホイールナットを1/4回転ほど緩める。(後述1)

 

ジャッキを更に上げてタイヤを浮かせる。ホイールナットを全て外す。外す順番は何処からでも良い。

 

交換するタイヤの溝を測る。溝が深いタイヤを駆動側(FFなら前輪)に組み付ける。(後述2)

 

ホイール内側のハブとの当り面を掃除する。

 

ハブ側も掃除する。(後述3)

 

ついでにブレーキパッドの残量を確認する。奥側は見難いので覗き込む。残り少なくないか、偏減りしていないか(片側のパッドだけ極端に減っている状態)、ベースプレートとライナーが分離していないか等を確認する。

 

ついでにドライブシャフトブーツが破れていないか確認する。破れていると内部のグリスが飛散して汚れている。

 

ハブのスタッドボルトに焼付き防止剤を薄く塗布する(カジリ防止)。油分が残っていればやらない。塗り過ぎると飛散する。ブレーキディスクに付着させない。(後述4)

 

交換するタイヤを組み付ける。ナットを軽く締める。この時、タイヤの下側から締める。理由はホイールをハブに載せた状態だと下側がせり出してくるから。十字に仮締めする(5穴は星形に)。ここで、ナットのテーパー部をホイールの穴にきちんと収める、ホイールをハブにきちんと密着させる、事を意識して丁寧に行う。(後述5)

 

手で締められるだけ締めておく。十字に均等に。

 

ジャッキを外し、トルクレンチで締める。この際、最初から規定トルクで締めず、2~3回に分けて均等に締める。例えばダイハツのホイールナット締付トルクは103N・mが規定値だけど、まず60~70N・m位で締めてから、103N・mで締める。トルクレンチは使った後、トルクを最弱にしてから保管する。

 

焼付き防止剤がはみ出している時は拭き取る。

 

タイヤ空気圧を規定値に合わせる。

 

 

後述1

MT(マニュアルトランスミッション)車の場合、ホイールを完全に浮かせてしまうと空転してナットが緩められない。かといってジャッキアップ前に緩めるとスタッドボルトに負荷が掛かる。なので、気持ち浮かせた状態でナットを仮に緩めておく。ミッションのギヤを入れておけば空転しないし、ジャッキアップする際も車体が動かないので安全だけど、作業後にニュートラルに戻し忘れる可能性がある。ATの場合はPレンジなら空転しないので省いても良い作業だけど、ミッションのストッパーに変に力を掛けたくないので僕はATでもこの手順で行っている。

 

後述2

1シーズン走ったタイヤは、駆動側と従動側では明らかに摩耗具合が違うので、正確に測らなくても良い。極端に摩耗させない為にローテーションしたいだけ。ただし、稀に回転方向に指定があるタイヤが有る。その場合は左右の入替は出来ないので注意。

 

後述3

ホイールはスタッドボルトだけで支えられている訳では無い。ホイールの内面とハブとの接触面で保持している。スタッドボルトとホイールナットは、接触面を密着させる為の物。だから、ホイールとハブの当り面はとても大切で、ここは密着させる必要がある。ホイール内面、ハブともに、汚れやゴミ、サビなどを取り除いてから組み付ける。

 

後述4

スタッドボルトに潤滑が必要か?と言われれば、個人的には必要だと考える。完全なドライのボルトと潤滑されたボルトでは、同じ締付トルクで締めてもホイールに対する締付トルクは変わるからだ(ボルトとナットの分抵抗になる)。そうすると折角トルクレンチを使って締めても、実際の締付トルクにバラツキが出る。そこそこ強いトルクを掛けるので、完全なドライのボルトとナットだとネジ山を傷める可能性も有る。スタッドボルトに油分が残っていればやらない。僕は大体タイヤ交換2~3回に1回位の割合。

 

後述5

先の通り、ホイール内面とハブをきちんと密着させる必要があるのと、ホイールをきちんとセンターに固定する必要がある。なのでホイールを浮かせたフリーの状態でホイールナットを正確に組み付けておく。緩いままジャッキを下してしまうと、負荷が掛かってセンターに寄らなかったり、上手く締め付け出来なくなったりする可能性がある。

 

 

タイヤ交換作業などわざわざ記事にする様な事でもないんだけど、説明資料として残しておく。

 

車によって多少異なるかもしれないが、概ねこんな感じ。うちはMT、AT混在で3台有るけど同じ手順でやってる。インパクトレンチは使わない。外すのは良いけど、組み付けは正確に行う必要があるのでインパクトは使わない。2,3台なら普通のレンチでも大して作業時間は変わらない。油圧ジャッキも使わない。それでも作業時間は大体30分/台くらい。それよりも外したホイールを洗って仕舞うのが面倒くさい。さすがに12本はうんざりする。