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BETA テクノ(1995) フロントフォーク整備

 

 

安価に入手したものの整備が必要。オークションの車両なんて最初から期待はしていないけど、やっぱりかなり手を入れないといけない。

とりあえずエンジンが掛かるか確認しようかと思ったらエアークリーナーエレメントが無い。ついでにフタも無い。エレメントはスポンジなので経年で著しく劣化するから交換は必要だと思っていたけど、フタが無いのは想定外。

 

エレメントが無い状態でキックしてみたけど掛からない。燃料コックが微妙で燃料が来ているのかも分からない。キャブレターはまさかのデロルト製。ネットで見掛けるテクノはミクニ製のキャブだったから、てっきりミクニかと思ってた。デロルトかよ・・・頭を抱える。調べて見ると、94、95年モデルだけデロルト製らしい。

 

気を取り直して、とりあえずフロントフォークのオイル漏れ修理にかかる。この車両はカラーリングから1995年モデルっぽいんだけど、テクノは94年と95年だけ倒立フォークになってる。正立サスの方が良かったんだけど、よく売りに出ているのは倒立サスばかりだ。

フォークカバーが有って分解が面倒臭い。何だか凝ったカバーだなぁと思ったら、内側のカバーはスタビライザーを兼ねているのか?アルミ製でゴツい。

 

インナーチューブにまさかの腐食が。しかもボトム付近ではなく、ストロークする位置で。これは致命的じゃね。予想以上に程度が悪い。

 

フロントタイヤを外す。タイヤも劣化してひび割れてしている。フロントのアクスルシャフト(ホイールの軸)はアルミ製で軽量。でもゴツいスタビライザで重量増なのでは? 96年以降は正立サスに変更されているけど、そりゃそうだろうとしか思えない。

 

フォークを外す。トライアルバイクは右と左で内部構造が違う(片方が伸び側ダンパー、もう片方が縮み側ダンパー)。ここまでバラしたのならステアリングステムも整備するべきだよなぁ。

 

キャップを外してオイルを抜く。オフロードバイクと違って少ししか出ない。泥水の様に真っ黒に汚れている。

 

左側(ブレーキ側)は腐食していないみたいだ。と思ったらストロークさせると引っ掛かる。わずかな打痕が有る。シールを傷めるので研磨しておく。

 

問題は右側。かなり酷い。しかも通常のライディングでストロークする範囲内にある。車両の確認無しで購入した僕の落ち度だけど、インナーチューブの錆は修理が高額になるから予め説明して欲しかった。フォークの交換かインナーチューブの再メッキをするのが確実だろうけど、まともに乗れる状態なのかも不明なのでとりあえずシールを交換して様子をみる。

 

研磨してみた。状態が酷過ぎて流石に手作業ではやってられないので、電動工具でガシガシ研磨する。とりあえずストロークさせても引っ掛かりが無い程度まで研磨してみた。

 

けど、腐食が酷過ぎて完全に凹んでいる。これではオイル漏れるのでは。倒立フォークだから尚更厄介だ。

 

シールを分解していく。ダストシールを外して、中にあるワイヤークリップを外す。あとはインナーチューブを勢いよく引っ張ってコンコンと打撃でシールを抜いて行く。はずが、抜けない。ビクともしないし、そのうち動きが渋くなって押しても引いてもストロークしなくなった。

 

シールピッカーでひっかき出せないかとか色々やってみたけど抜けない。なんじゃこれは。まさかの所で頓挫した。最終的にシール部分をドライヤーで加熱して何とか抜けた。

 

もう片方も加熱して抜く。

 

ベータ・テクノのフォークシールはショップでも売っているんだけど倒立サスのシールがなかなか売ってない。仮に売っていても1個3500円くらいする。そこでarieteというメーカーの物をwebikeで買ってみた。純正シールは内径φ36/外径φ48/高さ11で、このarieteも同サイズ。

メーカー ariete

型式 ARI114

タイプ TC4-1

 

右が付いていたシール、左がariete。内径外径共同じで見た感じでは違いが分からない。

 

高さも11mmでフラット形状。以前ファンティックで同じくarieteのシールを使ったら、この断面形状が違って苦労した事が有る。寸法も形状も同じで良かった。これで今後も安価に直せる。

 

アウターチューブのシール嵌め合い部に腐食が見られる。研磨しておく。

 

後は組むだけなんだど、組めない。アウターチューブ側のスライドブッシュがすんなり入らなくて、仕方なくシールインストーラを自作する。丁度内径36位の鉄パイプが有ったので半割にして打撃で打ち込む。

スライドブッシュが入ったのでオイルシールを打ち込もうとしたら、アウターチューブのシール部分(矢印部分)が抜けていく。なんだこれ?カシメじゃないのか?シールを叩き込もうとすると矢印部分が抜けて逃げてしまうのでいつまでたっても入らない。

他のユーザーの整備記事を見て何やってんだろ?と思ったらこういう事か。あれこれ試行錯誤しながら叩き込むものの、一向に入らない。整備性極悪だな。

 

保持する適当な物が無いので、やむを得ずステアリングステムのボトムブラケットで保持して叩き込む。こんな所でガンガン叩きたくないけど、どうしても入らないので仕方がない。叩き込む時にステムに手をぶつけて血だらけになった。フォーク整備で血だらけになるってどんなフォークだよ。

 

何とか組んだ。一日かかった。整備性悪過ぎるだろこれ。

メーカーのサービスデータでは、フォークオイルはMOTULのFCTORYLINE VERYLIGHT 2.5wが指定されている。けどMOTUL高い。他に2.5wのオイル無いかな?と探してMOTOREXにした。馴染みが無いメーカーだけどどっかで見た様な?と思ったら自転車のカーボンペーストのメーカーだ。得体のしれないメーカーでは無さそうだし、シールが漏れずに使えるのかも分からないので安いオイルで良い。

サービスデータはオイル量しか書いてなくて油面高さが分からない。94年式ともオイル量が違う。95年式は左右共に280cc。1リットルで充分足りるので経済的。

 

何とか組んだ。

翌日筋肉痛になった。シール入れるだけで筋肉痛になるなんて初めてだよ。もうウンザリだよ。二度とやりたくない。とはいえトライアルバイクでフォーク整備は日常茶飯事だろうから、何か治具を考えておいた方が良さそう。
倒立サスはただでさえメンテが面倒なのに、このパイオリ製のサスはとんでもなく面倒だった。みんな一体どうやって整備してるんだろう。

 

 

 

今回の出費

オイルシール ariete TC4-1 1,778円

送料 500円

フォークオイル MOTOREX FORK OIL 2.5w 2,290円

送料 500円

計 5,068円