シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

主夫

 

 

 

会社の男の子が退職した。男の子といっても僕の10くらい下になるんだろうか。気さくで愛想が良くてセンス(ファッションという意味では無く感覚的な印象)の良い人だった。彼は、僕が「一輪車を練習している」と話した時に、唯一「いやマジで良いっすね!」って応えた人だった。職場が全く違って接点が無かったので深くは知らないけど、傍から見てもそのセンスと好奇心には感心した。

そんな彼が退職する日に少し話した。次の仕事は決まってるの?と尋ねると、奥さんが自営(独立)だから、その手伝いをすると言う。まぁ主夫です。と。これまたやられた感が。

 先日たまたま、高収入な女性がどうして高収入な男性を結婚相手として求めるのか?という記事を読んだ。

papuriko.hatenablog.com

奥さんの収入に乗っかる訳だから、正に彼がそうだろう。でも、彼には何の気負いも負い目も感じられなかった。とても自然で、「後になって会社を辞めた事を後悔する様な事にはしたくない」と言う。それは、多分彼と奥さんがお互いにお互いを一人の個人として認めているからじゃないかと思う。

 僕が「次の仕事」を尋ねた時に、彼は「他の人にも何度も聞かれたんだすけどね」と言っていた。都市部の高収入な人達の間でもそうなんだから、片田舎の保守的な考え方が定着しているこの場所で「主夫になります」って言っても誰も納得しないだろう。「良いなぁ家でのんびりできて」とか言われるのがオチかもしれない。でも、そういう事じゃない。彼は奥さんのやりがいの有る仕事をフォローし、奥さんが思い切り働ける環境を作ろうとしている。彼もまた自分の出来る事を自分なりに考えていくんだろう。どれはどちらが偉いとかそういう事じゃなく、お互いに自分の得意とする所を伸ばしていこうという相乗効果、それは一般的な夫婦とは逆転しているかもしれないけど、理想的な夫婦像なんじゃないかと思った。

多分、今の僕なら躊躇いもなく主夫になれると思う。それは楽がしたいからとかそういう理由ではなく。でも、20代でその考え方が出来たか?と言われれば大した価値も無いプライドが邪魔をして出来なかったかもしれない。そう思えるのは今だからなのかもしれないし、そう思えば今までの経験や選択もあながち間違ってはいなかった様な気もする。

彼が元気に主夫として活躍する事を願っています。