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目指すのはジャンガリアンな生き様

ユニクロやワークマンの製品を登山で使うこと

 

 

はじめに

僕が以前書いたユニクロやワークマンの衣類に関する記事が読まれている事は知っていた。検索するとヒットするんだろう。まぁでも個人のチンケなブログの記事などさして影響力も無いだろうって呑気に考えていたんだけど、注目記事(このブログ内でよく読まれている記事)のトップになってしまうと、流石に無責任に推奨するのはちょっとマズいんじゃないかと思い始めた。そこで、ユニクロやワークマンの製品を登山で使用出来るのかどうかについて、今までの経験を踏まえて詳細をもう一度書いておく。ベテランの登山者なら改めて僕が言う様な事じゃない。ただ、僕の記事をどんな人が読んでいるのか分からない以上、一言断っておかなきゃいけない。っていうか、何で注目記事が数年前の記事ばっかりなんだよ。最新の記事も読め(-"-)

 

何故ユニクロやワークマンなのか

僕はユニクロやワークマン、ホームセンターで購入した衣類やアクセサリを登山で使っている。それは夏山、低山に限らず、雪山でも。どんな所で使ってきたのかは、山行記録に記録している。この記録の全てで使用している。登山専門用品はほとんど持っていないからだ。そのせいで死にかけた、という事は幸い今までに一度も無い。 だからと言って、ユニクロやワークマンの製品を「誰にでもお勧め」とは言わないし、「高価な登山専門用品を買う事がムダだ」とは思わない。アウトドアブランドの製品が高価なのは、登山に求められる性能や機能を満たしているからだ。

じゃあ何故登山専門用品を買って使わないんだ?と問われれば、恥ずかしい話「買えないから」だ。何も「ワークマンが良い」と言っているんじゃない。ダサいと揶揄されるモンベルの製品ですら買えないからだ。シャツや靴下は数千円、ジャケットやパンツは数万円。みんな「安い」とは思わないだろうけど「必要だから」と買って使っているんじゃないかと思う。でも僕は、その数千円、数万円を躊躇ってしまう。一度買えばそうそう買い替える物じゃない。だけど数万円。

金は無い。でも山は登りたい。手持ちで代用出来る物も無い。じゃあ何か安価で代用出来る物はないのか?ユニクロもワークマンもホームセンターも、高価な物は買えないけど山は登りたいという僕の苦し紛れから試行錯誤した結果だ。結果的に失敗だった物も沢山有るし、使えなくはないという物も有る。でもそれは僕が判断した結果で、誰にでも当てはまる物じゃない。体力、ペース、発汗、寒さの耐性は人それぞれで、僕が使えたから他の人もOKという物じゃない。何の保証も無い。確信が欲しければ、最初から登山用に仕立てられた専門用品を買うべきだ。僕は自分の判断と責任で安物を使う。失敗しても誰にも文句は言わない。だから安物を使っているのを見掛けても「あぁお金が無いのね」と思ってそっとしておいて下さい。

 

アウトドアブランド製品の意味

そもそも、条件さえ良ければ冬でも大抵シャツ一枚で歩いてる。風が出ればジャケットやフリースを併用する。それは別に当たり前の事だし、そのレベルなら多少快適性は劣るかもしれないけど登山専門用品でなくても充分歩く事は出来る。じゃあ登山専門用品でなければいけない条件、状況って何なのか?というと、「かなりイレギュラーな時」だ。暴風雨、ブリザード、滑落、ビバーグなどの。例えば、安いカッパやジャケットはコストの関係上フードの調整機能が簡素化されている。だから暴風雨やブリザードに巻き込まれた時に、フードが外れて雨水が侵入したり視界を遮ってしまったりする可能性が有る。また、強風で叩きつける雨はカッパの耐水圧を上回ってしまってカッパを着ているにも関わらず中が濡れてしまう。濡れた服のままで暴風雨に曝されるのは命取りになりかねない。安物の場合はそこまで過酷な状況下で使用する事など想定していないけど、登山専門用品はそういう過酷な状況を想定して使える様に作られている。そして、そんな状況下で「使える」か「使えない」かは「生きる」か「死ぬ」かと同じ意味になる。どんな人でどんな山に登るか分からない人に対してショップの店員が答えようとすれば、またネット上の質問に対して答えようとすれば、「ちゃんとした物買え」と言うのは仕方が無い。質問者の生死に責任など負えない。

つまり僕がユニクロやワークマンを使っているのは、「それで大丈夫」なのではなく、「それで大丈夫な状況にしか行かない」からだ。行けるか行けないかは、その都度自分で判断しなければいけない。それは登山専門用品を使っていても同じ事なんだけど、性能が劣る分より一層神経質になる必要がある。ソロなら尚更だ。逆に、登山専門用品を買うという事は、安全マージンを買っているに等しい。安全マージンが大きくても害は無い。

 

結局どうなの?

結局お決まりの答えになる。買えるなら、アウトドアメーカーの登山用品を買った方が良い。間違いがないし、安物で済ませようとしても「結局ちゃんとした物を買った方が安上がりだった」なんて事にもなりかねない。初心者が安物の中から「使える物」「使えない物」を一発で見極めるのは相当難しい。専用品はやっぱり格好良くて快適だ。

それでも、これから登山を始めよう、始めたばかりだ、でも続けられるか分からない、とりあえず1、2回歩いてみたい、という人で、装備に充分に金を掛けられないのなら、場合によってはユニクロやワークマンなどを選択肢に入れても良いんじゃないか?と思う。場合というのは、明瞭でメジャーでいつでも引き返す事が出来るルート。ダメそうな時は引き返せば良い。何か問題が起きた時に引き返すタイミングの判断は難しいと思うけど、「装備が万全でないから」というのは逆に無謀に突き進むのを抑制出来るかもしれない。装備は万全に越した事はないけど過剰な装備は必要ない。

回りくどい言い方しているけど、要は責任が持てないんだ。本音を言えば、僕はシーズン中のメジャーなルートなら何着たって構わないと思ってる。ジーンズや綿シャツはさすがに不快だろうけど、ワークマンだろうかユニクロだろうが何でも構わないし、実際それで困っていない。ユニクロやマークマンを検討している人が、真冬の3000m峰をターゲットにしている訳じゃないだろう。東海圏で言えば、シーズン中の伊吹山や御在所レベル、冬の金華山とか猿投山とかそういう所を目標にしてるんじゃないかと思う。そこで下着からアウター、カッパまでモンベル以上でなければいけないなんて事はないだろうし(もちろん良いに越した事は無い)、もしそれ以上の山を想定している人ならそれなりの経験を積んでいるはずだから自分なりに取捨選択出来るだろう。だけど、登山歴や体力や知識やスキル、慎重派なのかおちょこちょいな性格なのかも分からない他人に対しては、やっぱり先の通り責任が持てないから推奨しない。代わりに、こういう物買ってみましたよ、使用感はこんな感じでしたよ、と紹介しているだけ。後は各自で判断して欲しい。

登山歴は数年だけどソロで変な所を好んで歩いてきた経験から、最も重要なのは体力と判断力だと思った。行程に対して余裕の有る体力と、行けるか行けないかの判断力。判断を間違えばどんな装備を持っていても遭難するし、判断を間違わなければワークマンでも死にはしない。仮に判断を間違っても、充分な体力が有ればリカバリー出来る。加えて、体力が有ってハイペースを維持出来れば危ない状況下でも危険に晒される時間はそれだけ短くなるし、体力が無ければ危険を感じた時点で引き返しても間に合わないかもしれない。過酷な状況下で耐えられる時間は体力に比例するし、装備の良し悪しにも比例する。

ただ、それは経験を積まないと難しくて、だからむしろ安物を使うのはベテラン向きで、ビギナーほど良い物を使った方が良い様には思う。どんな道具であれ、最終的には使う人次第だ。結局自分の足を使って歩かなければいけないから、登山は面白いんだと思う。

 

 後、個人的な印象としては、服装よりも靴を優先させた方が良いと思う。タウン用のスニーカーだと、雨でなくてもぬかるみは気を遣うし靴底も滑りやすく体力を消耗してしまって悪循環になる。安い靴でも何でも良いから防水の登山向きな靴。ショップや登山する人に相談すると高価な靴を勧められるけど、トレッキンクシューズはすぐに壊れるしある程度歩いてみないと何も分からないから、僕は最初は何でも良いと思ってる。ある程度歩いてみて理解してイケると思ったら良い靴を買えば良い。個人的イチオシはモントレイル。次点はアディダス

 

 

 

参考に、僕の装備を書いておく。あくまで参考でお勧めという訳ではないし、ワークマンでも新しい製品がどんどん出てくる。

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下着。GUのボクサーパンツ。500円くらいだったと思う。おっさんのパンツなんか見たくも無いだろうけど、参考だって言ってるだろ。登山用でなくても綿じゃない下着は比較的簡単に安価に手に入る。登山以外では使わないので買って以来数年使っているので、それだけ持てば登山用を買っても充分ペイ出来るんじゃないかと思うものの、別に安いパンツで困った事が無いので買ってない。冬でもこれ。

 

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夏用ベース。ワークマンのクールシャツ長袖。千円くらいだった様な。選ぶ目安は「ドライ」とうたわれている速乾性素材のシャツ。クールシャツも半袖、長袖で数着買ってみたけど、春から秋までほとんどコレ。着倒してるのでそこまで使うなら登山用品買っても良いと思うけど、夏山では安物でも大して困らない。ジャンダルムもコレだったし。日焼けすると疲れるので真夏でも基本長袖。自転車やバイクにも使えるのでコスパは半端ないけど、登山用も夏用シャツはさほど高くないので、余程安くないと旨味が無い。

 

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冬用ベース。長袖のヒートシャツ。ホームセンターで購入。2千円はしなかったと思う。冬でも低山なら大抵これ一枚で歩いている。ヒートシャツは2、3種類買ってみたけど冬はこればかり。この手のシャツはワークマンやホームセンターで多種多様な製品が有って目移りしやすくて、安物買いの何とやらになりかねない。吸湿速乾性は専門用品に対してかなり劣ると思われるので、雪山でガッツリというのはお勧めしない。

 

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ストレッチブルゾン。ワークマンで2900円。最近はホームセンターでも似た様な製品を良く見かけるので必ずしもワークマン至上ではないけど、この製品は薄くて携帯しやすくて使い勝手が良い。ストレッチ素材の為完全な防風ではなく、気温が低くて風が強いと寒い。代わりに行動時には使いやすい。行先や状況に応じてウインドブレーカーと使い分けすると良いかも。この後もう1着買っている。年々クオリティが高くなってる。

 

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フリース。釣具屋で購入。買うつもりではなく安かったから買ったと思うので980円くらいだったと思う。薄くて携帯に便利で、冬山の休憩時、風が強くて冷える時に中間着に使う。何気なしに買ったけど結構重宝する。

 

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ULダウン。ユニクロ。定価5990円を3990円で購入。泊まり用もしくはビバーグ用で保険みたなもの。冬山や過酷な山行で携帯するけど通常は使わない。

 

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アウター。ユニクロのブロックテック・ボンディングパーカー。ソフトシェル的な使い方をしてる。定価5990円を2990円で購入。既に廃盤だけど、探せばユニクロに限らず似た様な製品は出てくると思う。簡易的な防水、防風で主に冬のアウターに使用してきた。通気性が無いので寒い時以外は着ない。

 

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ハードシェル。ワークマンで3900円。現在の冬の主力。

 

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夏用パンツ。スポーツオーソリティのオリジナルブランド、アルパインデザイン。2900円くらいだったような気がする。後述の中厚パンツが良かったから買ったけど、ストレッチしないのであんまり良くない。夏は別に何でもいいので履いているだけ。これの前はしまむらのナイロン製パンツとか、ワークマンの作業ズボン穿いてた。夏にGUでナイロン素材の使い勝手が良さそうなパンツが売っていたので、シーズン中の好天ならそんなので充分かと思う。選定のポイントは速乾性(ドライ)と、出来ればストレッチ性が有った方が快適。

 

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パンツ(中厚)。同じくアルパインデザイン。一応アウトドアブランドになるのか?割引されて3900円くらいだったような気が。微妙な値段で悩んだんだけどストレッチして履きやすく、歩きやすい。思ったよりも良くて、あぁ良い製品って楽なんだなと実感。冬でもこれで歩いてたけど、防水素材じゃないので長時間雪に埋もれていると濡れる。

 

季節や行先に応じて上記のウェアを組み合わせて使っている。持って行っても保険的な意味合いが大きくて、大抵はシャツ1枚か、せいぜいウインドブレーカー程度しか使わない。

 

最後に

最近は、ユニクロ、GU、ワークマン、ホームセンターでも登山に流用出来そうな衣類が売っているのでこれが正解という訳じゃないし、年々新製品が出てくる。ただ、「これは使えそう」「これはダメそう」っていう判断はある程度経験や失敗をしないとなかなか難しい。選定の基本は速乾性(素材に綿、レーヨンが使われていない物)。最近のユニクロ製品は値段が高めなので、定価で買う位なら登山用品のベーシックなランクのセール品とかを狙った方がマシな場合もある。ユニクロやワークマンのメリットは「いつでも安い」事。明日必要な場合でもバーゲンを待たずに安く手に入る。必要性を感じたら後からゆっくりバーゲンで良いアウトドアブランドの製品を探せば良い。

あと、当たり前だけど人目やブランドステイタスが気になる人には無理。割きりは必要だけど、歩くだけならそんなに金掛けなくても歩ける。でもそれは気兼ねが無いソロだからかもしれない。そろそろマシな装備を買っても良いんじゃないかと思うものの、現状ではファッション性以外にはあんまり必要性を感じないから金が有るなら旅費等他に使いたい。

 それと、冬山は別。僕は冬山は基本的に止まらない様にしてる(まとまった休憩はしない)からこんな貧相な装備で何とかなってる。冬山は行動不能になったら死ぬので、ほんとに安物はお勧めしない。さすがにそろそろ冬用のシャツ、靴下、グローブはまともな物を買おうと思ってる。

 ワークマンを愛用している人も、ワークマンをけなしている人も、人それぞれなんだからどうでも良い。僕の持論は「遭難しない程度の失敗はしといた方が良い」だ。ネットで手軽に情報を得ることが出来るけど、失敗談をアップしてくれる人は少ない。体力にしろスキルにしろメンタルにしろ、失敗するという事は自分の限界を知る良い機会だし、その蓄積は自分のノウハウになる。ウェアも含めて、限界を超えない為に自分の限界は把握しておいた方が良い。自分で歩いて山に登るなんて極めて非効率的な趣味なんだから、セオリー通りにいかなくて遠回りする事さえも楽しめる位で居たい。

 

 

 参考 その2

どうしても登山専門用品でなければいけない物は渋々購入した。以下の製品がそれ。安物で随分と頑張ったけど、専門用品には到底かなわない。全て冬山用品なのでシーズン中は不要な物。

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