「エンジンが掛からないからあげる」とタダ同然で貰ったホンダのハンターカブ。
その後四苦八苦しながら修理してまともに走れる様になって足に使っていた。原付2種は経済的で便利だ。任意保険は自家用車のファミリーバイク特約でカバー出来るし、税金も安く、燃費も良い。原付1種(50cc)と違って車の流れに乗れるし、タンデム(二人乗り)も出来るし、都市部での移動手段にはうってつけだ。ただ、ハンターカブの場合は舗装路では速度が出ず、かといってオフロードでの走破性も低い。クラッチレバーが無い遠心クラッチ式のエンジンではライダーの技量で補える範囲も限られてしまって何をするのも中途半端過ぎるんだ。僕はバイクに手軽さや便利さなど求めちゃいない。もっとライダー側が積極的にライディングに関わっていける物が良い。だから他のバイクと替える事にした。
車両の入替の為に全て標準状態に戻した。
代わりに手に入れたのは1992年式のホンダXR600R。
の不動車。何でわざわざ古くて汚くて動かないバイクに替えるんだ?というと、乗るよりも直す方が好きだから、なんて事ではもちろんなくて金が無いからだ。XR600Rは正常な状態ならネットオークションでも20~30万はする。普通にバイク屋で買えば40万以上するだろう。僕が乗る為には、まともじゃない車両を手に入れて自分で何とかするしか無い。
そもそも何で今更XR600Rなんだ?と言えば、ビッグシングル(大排気量の単気筒エンジン)の痛快なフィールを味わえる数少ないオフロードバイクだからだ。僕は15年ほど前にXR600Rに乗っていた時期が有る。個人的な好みで言えば、そのフィールはロードバイクを含めてもかなり上位に入る。レースに使うならなるべく高性能な方が良い。450か250のモトクロッサー(競技用オフロードバイク)をベースにした車両か、公道用市販車でもレーサー並みの性能を有するKTMを選択するのがベストで、XR600Rに対して圧倒的に高性能だ。仮に扱いやすさを重視してホンダXRを選択するにしても、最も完成度が高くてバランスの良いXR400Rにするだろう。買えれば、の話だけど。
だけど、競技志向ではなくて趣味で乗って楽しむ分にはXR600Rは今でも充分面白いバイクだと思う。オフロードバイクも流行らない、中途半端な排気量も流行らない今の日本のバイクシーンでは到底理解されないだろうけど、今僕の経済事情で乗れる一番魅力的なバイクはXR600Rで、できれば元気な内に乗っておきたいと思ったからだ。
とりあえず希望の車両は手に入れたんだけど、予想していたよりも重症だ。ちゃんと走るんかいな。
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