シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

ホワイトバグ生存不能  安生正

 

 

 

 

 

アフガニスタンと中国を結ぶワフジール峠で、中国の国境警備隊が全滅した。タジキスタン側から登ってきた日本の気象観測隊も、猛烈なブリザードのもとで何ものかの襲撃を受ける。果たして極寒の山岳地帯でなにが起きたのか。グリーンランドで同様の現象を目にしたプロ登山家の甲斐は、連絡の途絶えた気象観測隊の救出に協力するよう政府に求められ、研究者とともにワフジール峠に向かうが。

★★★☆☆

 

 

レビュー

あらすじを見て面白そうな内容だったのと、主人公が登山家というのも興味を惹かれて読んでみた。

設定はSF的でもありミステリー的でもあって面白い。淡々とした展開もSF的だと思えば面白いけど、ヒューマンドラマを押し込んだ影響で安っぽいドラマ感が感じられてしまう。驚く様なギミックや思考の裏をかく展開も見られない。予想される結果の中でどう展開させていくのかと思ったけど、予想されたまま都合よく終わってしまった。登山家としての場面も簡素で主人公が登山家である必然が感じられないし、基本みんな良い人。人物の描き方はかなり平坦であまり個性を感じられない。研究者なら他人を殺してでも真実を知りたいとか思って欲しい。あと、みんな男気溢れ過ぎ。そこまでしなくても。なので感情移入出来なかった。

面白くてあっと言う間に読んでしまったけど、内容はハリウッド映画みたいな印象だった。