シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

欲しい物リスト

 

 

 

欲しい物はそれ程無いと言いつつ、欲しい物が有る。自分の車だ。昨年smartを廃車にしてしまい、今は子供と共用の軽自動車に乗っている。欲しい車は決まっている。軽トラだ。農家でも自営業でもないのに何故軽トラなのか。本当は手に入れてから書きたいんだけど、いつ手に入れられるか分からないし軽トラには一家言有るのでちょっと書いておきたい。

 

1)コスト

僕はシンプルで機能的で必要最低限の機能の物が好みだ。コスト度外視なら、アリエル・ノマドケータハム・Super7が欲しいけど、日本国内で足に使うならさすがに屋根とエアコン位は欲しい。そんな趣味嗜好だから、今の乗用車は装備が過剰過ぎる。

僕の好みでは商用車くらいで丁度良い。ピックアップトラックなら普段使いでも問題無いけど、古い中古車でも全然値が下がらない。結婚前に(28年位前)にダットサントラックの中古を120万で買った事が有るんだけど、今でも大差ない値段する。プレミア価格のボロなど買いたくない。ならば、ダブルキャブトラックで良いじゃないか。探せば比較的安価な物も有る。ただ、商用タイヤで維持費が掛かるとか、積雪路で困るとか、「自営ですか?」とか「脱サラしたの?」とか聞かれていちいち答えるのも面倒くさくて購入後が困る。その点、軽トラは極めてシンプルなトラックでありながらイニシャルコストもランニングコストも安い。古過ぎなければエアコンもエアバッグも装備している。僕の好みと用途に合う最も安価な車が軽トラだったという訳だ。

 

2)機能

軽トラのコンセプトは極めてシンプルだ。走る事と荷物を積む事しか考えられていない。なのでそれ以外の機能、装備は最低限に抑えられている。ヘタなスポーツカーよりもストイックで、その機能性最優先のコンセプトは今の国産車ではなかなかお目に掛かれない。「安価な車」という条件を加えたらほぼ皆無と言って良い。極めてシンプルな商用車なので、信頼性、耐久性が高いのも利点だし、四駆なら林道で落としたバイクの回収から雪山登山までオールマイティに使えて道具として申し分無い。

 

3)軽自動車

僕は軽自動車で充分だと思ってる。90馬力の日産マーチで丁度良い位だったので、それ以上はパワーも車体も持て余してしまう。今の1リッター直噴ターボですら持て余すから、軽自動車で全く問題無い。軽トラはリッターカーよりも更にアンダーパワーだけど、エンジンパワーよりもレスポンスの方が大事だ。エンジンやミッションのレスポンスもそうだし、車体が軽い事による挙動のレスポンスもそう。軽トラはシャシーが丈夫な分車体はそれ程軽くは無いけど、余計な物が付いておらず更に後部座席が無い分一般的な乗用車に比べたら軽く、自然な挙動をする。それは運転する面白さに繋がる。

 

4)セミキャブ

購入するに当たり一番の問題になるのがセミキャブが新車で売ってないという事だ。セミキャブ(セミ・キャブオーバー)は、フルキャブ(フル・キャブオーバー)の対比。キャブオーバーというのは、キャブ(キャビン/座席)がオーバー(上に有る)という意味なんだけど、何の上に有るのかと言えば「エンジンの上に有る」というのが正確な定義になる。例えば、大型トラックやトレーラー、ハイエースなどがキャブオーバー・タイプになる。ただ、ネット上で書かれている軽トラの記事の場合は、キャブオーバーは「前輪の上」という意味合いで使われている。セミキャブは「運転席よりも前に前輪が有る」という意味で使われている。説明が面倒なので便宜上軽トラのキャブオーバーは「前輪の上に座席が有る」という意味で書くけど、正確な定義ではない。軽トラはメーカーや年式によってエンジン搭載位置がフロントだったり、フロントミッドだったり、ミッドだったり、リヤだったりするので、そもそも軽トラ全般をキャブオーバーの定義では語れない。

そんなセミキャブタイプの軽トラが販売されたのは1990年代末期で、1998年に軽自動車規格が見直され車体寸法が大きくなったタイミングだ。従来のキャブオーバータイプから、セミキャブオーバータイプに設計が変更された。ただし、セミキャブを採用したのはスズキとホンダ、三菱のみで、ダイハツとスバルは従来通りのキャブオーバータイプのままモデルチェンジしている。

セミキャブの利点は直進安定性、走行性能、乗り心地が良くなるという点。対して、デメリットはホイールベースが長くなる為、最小旋回半径が大きくなる(小回りが利かない)事。そのデメリットは農業や林業で使うユーザーには不評だった様で、スズキもホンダもモデルチェンジに伴いセミキャブを廃止しキャブオーバータイプに戻してしまった。三菱は最後までセミキャブで販売していたけどそれはセミキャブに拘っていたからではなく、儲けにならない軽トラをモデルチェンジさせるだけの余力が無かったからだろう。最終的に三菱も自社生産をやめてスズキのOEMになってしまったので、今軽トラを製造しているのはスズキとダイハツの2社だけで、どちらもキャブオーバータイプだ。

農業や林業には不向きでも、一般的な公道を走る分にはセミキャブのメリットは計り知れない。現に軽バンはセミキャブを採用している。走行性能もさることながら、フロントタイヤを極限まで前方に配置してフロントオーバーハングがほぼゼロな構造は機能美の集約と言って良い。軽自動車規格が変更された時、各メーカーが力を入れて新たに開発した革新的なモデルだ。だから、僕はセミキャブの軽トラが欲しいんだけど、セミキャブは中古でしか手に入らないので減っていくばかりだ。買うなら早い方が良い。

 

 

安価に購入出来て、MTが選べて、運転する事が楽しく、実用的かつ機能的な軽自動車、という条件で考えた時に幾つか候補は出てくるけれど、その中で最も魅力的だったのが軽トラだった。子供も大きくなったので、二人乗りの車でも何とか許容できないだろうか。

海外でも軽トラは人気が有る様だし、今はアウトドアや車中泊ブームで軽トラが注目されている様だし、ほんと僕が入手するまで止めて欲しい。今なら比較的安価に購入出来るのに、変なプレミアが付いても困る。軽トラは極めてストイックな車なのと、貨物車両なのでギヤ比が低くて乗用車に比べてスピードが出ないので自分で所有するには相当な割り切りが必要だから、国内ブームは一時的なものだと思うけど。