シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

HONDA XR600R 腰上OH(2)

 

 

始動性の悪さはピストンリングの影響かもしれない、という事で分解したのが前回の話。

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ところが何だかバルブも悪そうだ、という事で組み戻す前に作業を行う。

 

 

 

正月休みで時間が有るうちに面倒臭い作業を片付けて置く。シリンダーベースガスケットが張り付いて剥がれない。30年モノのガスケットはビクともせず、これ全部剥がすのに3日くらい掛かるのでは?と絶望的な気分。これでは正月が明けてしまう。

 

ケミカル買ってきた。以前もこの手のケミカル使った事があるけど目に見えた効果が感じられなかったので期待はしないけど、あまりにも面倒なので少しでも楽になるなら使える物は使いたい。他にも類似の製品が売っていたけど「固着したガスケットの剥離」とうたっていたこの製品にしてみた。トラスコブランドだけど製造元は住鉱なのでちゃんとしたケミカルメーカー製。

 

と、予想外の効果が。完全に固着していたガスケットが剥がれる。上手く剥がれなくてもスプレーすると紙ガスケットがふやけた感じになるので削いで薄くして、再度スプレーすると剥がしやすくなる。これは凄い。作業性が全然違う。

 

3日掛かるかと思った絶望的なガスケットが1時間位で剥がせた。非常にコスパが良い。ガスケットがほぼシリンダー側に残っていたので、まだ作業がやりやすかった。クランクケース側に残ると作業性が悪くて更に面倒になる。

 

問題のバルブを確認する。ハメバスコンでバルブを分解する。お手製工具、こんなに活用するとは思わなかった。というかこんなに何度もエンジン開けるとは思わなかった。

 

外した右側エキゾーストバルブ。目視では異常なのか分からない。

車屋さんに聞くと「バルブが当たれば大抵は曲がるけど、まずは曲がっているか確認する必要がある」との事。バイクの師匠Sさんが言うには「この程度の当たりなら曲がっていないかもしれない、まずは曲がっているか確認しろ」との事。なのでまず曲がりを確認して今後の対応を考えることに。

 

目で見てもくるくる回しても分からないのでダイヤルゲージで曲がりを測定する。振れは0.08mm。サービスマニュアルには曲がり測定に関しては記載が無いので、これが正常範囲なのか異常なのかが分からない。0.08mmは異常な気がするけど、エキゾーストバルブはかなり高そう。叩いて修正出来ないだろうか。その前に他の健全なバルブがどの程度の振れなのか確認してみる。

 

左エキゾーストバルブ。振れは0.03mm。やはりこの程度の振れに収まっていないといけないんじゃないか。

 

と思ったら左インテークバルブは0.10mm。あれ?この位の振れは許容出来るの?

 

右インテークバルブは0.045mm。

 

左インテークバルブの振れが0.10mmなのに漏れは無かったので、右エキゾーストバルブも0.08mmの振れならバルブの摺り合わせで何とかなるんじゃないか。そもそも右エキゾーストバルブの振れは最初0.12mmだったけど、再度磨いたら0.08mmになった。磨いて0.04mm変化するんだから、ほんの僅かな汚れや測定位置の加減によって0.01mm位は簡単に変化してしまう。あくまでも目安として見ておいた方が良さそう。修正の為に下手に叩いて取り返しのつかない事になっても困るので、とりあえずバルブの摺り合わせをしてみる。



燃焼室を掃除する。RFVCの燃焼室形状はとても美しい。


バルブコンパウンドを付けて、ひたすらバルブをパコパコする。面倒なので漏れが確認された排気右側だけをやるつもりが、摺り合わせをしたら当り面がとても滑らかになった。どうせなら他のバルブも摺り合わせしておくか。

 

組んでしまってから漏れているのが分かると大変なので、光明丹を使いバルブとシートの当たりを確認する。が、失敗している。光明丹を付けすぎて当たっていない所まで色が付いてる。光明丹の付け加減が難しい。これは慣れていないと難しい。ネット上でも「あくまでも目安で」と言われているのはそういう事か。

 

バルブの摺り合わせをした後、サンドブラストを掛けて、塗装する。分解したついでに、せめて腰上だけでも綺麗にしておきたい。荒れていたエンジンが綺麗になった。


バルブを組んで漏れを確認する。車屋さんに聞くとバルブスプリングを組んだ状態で確認するというので、全て組んで燃焼室に灯油を注ぐ。

 

あれ?漏れるじゃん。ダメじゃん。しかもしばらく置いておくと4個所全てから漏れる。排気右側のみ漏れると思っていたのは、そこが特に酷かったからで、他の個所も微妙に漏れる。微妙な漏れでしばらく時間が経たないと分からないから気付かなかったんだ。

 

しかしバルブ組んじゃったのにどうすんだよ。バルブスプリングはともかく、ステムシールまで組んでしまった。再度分解し、組んでしまった新品のステムシールをそっと優しく外す。面倒臭いけど、確認する時はステムシールは組まずに、漏れが無い事を確認してから再度スプリングを外してステムシールを組んだ方が良さそうだ。

再度バルブの摺り合わせを行う。が、何を基準にOKとすれば良いのか分からない。あと、バルブの摺り合わせ結構煩い。結構デカいパコパコ音が出るので時間や場所によっては迷惑だ。

作業開始から1ヵ月経ってしまった。なかなか作業が進まない。

 



今回の出費

ガスケットリムーバー トラスコ 1480円

耐熱塗料 シルバー 1,740円

 

 

つづき

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