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目指すのはジャンガリアンな生き様

デジタルカメラ コダック DC290 Zoom

 

 

 

コンデジ買いました。コダックのDC290。

pc.watch.impress.co.jp

 

最近巷ではコダックコンデジが流行りみたいで、なんでもちょっとレトロ感のあるエモい画像が撮れるかららしい。それならDC290だろう。という理由ではなく、単にこの型のデジカメが欲しかったから。しかしこれは「コンデジ」のカテゴリーに入るのか?と思う様な大きさ。

 

液晶モニタは2インチ。今時のカメラと比べると随分と可愛い。液晶表示は粗くレスポンスも悪く、しかも暗いので晴天だとよく見えない。なので光学ファインダが備わる。音声も記録出来るという凄い機能が有るのでマイクが有る。この年代のデジカメではまだ動画は撮れない。

 

ずいぶんとぶ厚いボディ。コンデジと言うより一眼レベル。

 

記録メディアはコンパクトフラッシュ。標準付属品は20MBだけど128MBのカードがついてきた。当時は8MBとか16MB程度が主流でOP設定でも64MBまでしか無い時代に128MBを認識出来るのは凄い。ちなみに画像データサイズは最高画質で1枚600KB程度。

 

バッテリーは単三乾電池4本。エネループが使えるので、専用バッテリーじゃないのは逆に有難いかも。ちなみに横に向けても自立する。

 

電源を入れるとレンズがみょーんと伸びる。随分まったりとした動作で、起動時間は5秒。

 

大きさの比較。コダックPIXPRO WPZ2との比較。馬鹿デカいけどホールドはしやすい。デカいのは良いんだけど形状が独特過ぎるので汎用ケースで丁度良い物が無い。専用ケースが欲しかった。当然持ち運びはし難い。







このボディ形状のデジカメは、DC220、DC260、DC290の3機種がある。どれも1998年~1999年に発売された骨董品レベルのデジカメで、画質も操作感も今時通用する物じゃない。ジャンク品を数百円で買ってみた、という記事はちらほら見掛ける事もあるけど、僕が購入した物は数千円。動作品で5千円未満なら購入、1万円以上なら買うまでもない、という僕の判断基準に対し、購入した金額は5千円以上1万円未満。出品されてからしばらくの間落札されていなかった様なので、やはり皆躊躇う微妙な価格設定だったんだろう。

 

そもそも、いくらハイエンドカテゴリーとはいえ1999年製のコンデジが今時使い物になる訳が無い。入手しただけで満足してしまってロクに使いもしないのなら買っても意味が無いじゃないか。とはいえコレ欲しかったんだよね。今なら買える値段だし。でも使えないじゃん。と、散々悩んだ挙句にふと思った。

 

 

 

 

 

 

 

フィギュアだと思えば良いんじゃね?

全く実用的でなくて役に立たないフィギュアには喜んで数千円払うじゃないか。ならば(まだ多少は)実用性が有るデジカメを買う事に何を躊躇う必要があるのか。否無い(ほんとか?) いやマジで3日くらい悩んだけど。こんな物買ってる場合じゃないだろ。

 

 

 

納得できた(?)所で、このコダックのDC290というデジカメがどういう物なのか、今ではもう忘れ去られている3機種のスペックを比較してみる。外観はそっくりだけど中身は結構違う。

 

コダック DC220

発売時期 1998年 定価88,000円

1/3CCD 109万画素 

EKTANARレンズ 光学2倍ズーム パンフォーカス

 

コダック DC260

発売時期 1998年 定価128,000円

1/2CCD 160万画素 

EKTANARレンズ 光学3倍ズーム オートフォーカス

 

コダック DC290

発売時期 1999年 オープンプライス(実売10万円以上)

1/1.76CCD 230万画素(有効画素数216万画素) 

EKTANARレンズ 光学3倍ズーム オートフォーカス

 

メインは1998年に発売されたDC260。DC260の廉価版がDC220。1999年にDC260の後継モデルとして発売されたのがDC290になる。2000年以前のデジカメのまだはしりの製品なので、今使うと起動もフォーカスも記録も何もかもがもどかしい。大体、DC260は電源を入れてから起動完了まで15秒かかる。発売当時ですら「いくらなんでも遅すぎるだろ」と言われている。DC220は多少速いけど12秒くらい。DC290は後継だけあって流石にその辺りを改良して起動時間は5秒まで短縮されている。

本当ならDC220で良かった。パンフォーカスだけどオートフォーカスでない分トラブルは少なそうだし、100万画素くらいの方がまだ粗削り画になって逆に良いのではないか。

ただ、多分よく売れたのはDC260なんだろう。中古で見掛けるのはDC260ばかりで、DC220は見た事が無い。DC290もあまり見かけないんだけど、たまたま売りに出ていた。そこそこ良い値段だったんだけど、保管状態は完璧で完動品、取扱説明書も有る。ジャンク品が数千円で売られている様な状況なので、多少高くても程度が良くてちゃんと動作する物の方が後悔はしないんじゃないか。起動時間5秒なら、実用的とまでは言えないけどまだ我慢出来るレベルだし、登山は無理としても散歩のついでにスナップ程度なら充分使えるんじゃないかと思う。DC290を使う為に散歩に出掛ける、というのも一興かもしれない。

ちなみにDC290はチノン製(日本のカメラメーカー)。DC220、DC260もmade in Japanの記載があるのでチノン製かもしれない。チノン製のカメラにコダックの画作り技術ががどこまで関係しているのかは分からない。

 

 

 

2000年辺りは本当に凄かった。いろんなメーカーから毎年ニューモデルが発売され、毎年性能が劇的に向上していた。それにDC290の様な一風変わった個性的なカメラがコダック以外からも沢山発売されていた。

www.monox.jp

あの頃は物凄い盛り上がりを見せたデジカメ界隈だけど、スマホの普及とスマホに搭載されるカメラ性能の劇的な向上で一気に衰退してしまった。でも、今コダックコンデジがウケているのも分かる気がする。今のスマホの画像はあまりにも出来過ぎているからだ。

360life.shinyusha.co.jp

スマホはあれだけ小さなレンズとボディで撮影しているのだから、光学部分での画質向上は限度があるだろう。後は高度な画像処理で補っているんだろうけど、補い過ぎるとそれはもう合成に近いんじゃないか。資料や情報としては分かりやすくて良いんだけど、そこに実際の空気感の様な感じは希薄だ。

 

 

1999年製のデジカメは、今ではもう実用的じゃない。だけど、効率と利便性一辺倒ではなく、その面倒さや足りなさを楽しむ事が出来た方がより幸せなんじゃないかと思う。

 

 

 

コダックDC290 サンプル

オリジナルサイズでアップしているのに、何故かオリジナルサイズの画像にならない

 

 

200万画素(最高画質300万画素)でも思ってたより粗い。よく言えば柔らかく、悪く言えばボヤけた印象。でも面白い。

起動時間は5秒だけど、撮影した後に電源を切ろうとするとかなり長い時間がかかる(パイロットLEDがずっと点滅している)。多分撮影した画像をメディアに記録しているんじゃないか。かなり大柄なボディとかなりもっさりとした動作レスポンスで、日常使いするのは結構大変。でも「良い被写体が無いかな?」とか「綺麗な青空を撮りたい」とか考えながらウロウロするのは面白い。